2012 Fiscal Year Research-status Report
通常の学校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育支援体制に関するニーズ調査
Project/Area Number |
24730761
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
岩田 吉生 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20314065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 聴覚障害児教育 / インクルージョン |
Research Abstract |
本研究の目的は、通常の学校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育支援体制に関するニーズの実態を把握するために、質問紙による調査研究を行い、量的・質的検討を実施することである。方法としては、聴覚障害児の保護者に対して、郵送による質問紙調査を行い、「入学前に要望した支援」・「現在の教育支援状況」・「今後希望する教育支援」の各時期における保護者の教育的ニーズについて分析検討を行う。これにより、通常の学校に在籍する聴覚障害児の教育支援と、保護者への情報提供・保護者支援の在り方を検討していきたい。 調査内容及び手続きとしては、以下の通りである。(1)調査内容;通常の学校における聴覚障害児への支援について、質問紙による質問紙調査を実施し、調査対象の保護者は「入学前に学校側に求めた要望」・「現在の教育支援状況」・「今後希望する支援」の3項目に関して、①聴覚障害児の基礎プロフィール、②「入学前に要望した支援」・「現在の教育支援状況」・「今後希望する教育支援」に関する保護者のニーズ調査(学校全体で支援、通常学級の教員の支援、他の聞こえる児童生徒の支援、難聴学級の教員の支援(難聴学級設置校の場合のみ)に関して、回答を求めた。 平成24年度の研究実績としては、研究に関する文献研究を行った。その上で質問紙を作成し、小学校・中学校・高校に在籍する聴覚障害児の保護者への質問紙調査を実施し、回答を得た。現在、回収できた質問紙の内訳は、小学生の保護者60名、中学生の保護者20名、高校の保護者20名である。 中学校に在籍する聴覚障害児の保護者の質問紙の結果は、分析・検討した上で、日本特殊教育学会第50回大会にてポスター発表を行った。また、同学会にて、自主シンポジウム「通常の学級で学ぶ聴覚障害児の教育支援(その3)-軽・中等度難聴乳幼児・児童に対する必要な支援の現状と課題-」を企画し、研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の当初、質問紙調査を行う際、小学生、中学生、高校生の聴覚障害児の保護者の教育支援体制に関するニーズについて、客観性の高いデータが収集できるよう、全国の聴覚障害児関連団体に協力を求めている。現状としては、保護者の質問紙の回収がやや少なく、平成24年度末(平成25年3月時点)で、小学生の保護者60名、中学生の保護者20名、高校の保護者20名という状況である。さらに、聴覚障害児の保護者の方々に、調査協力を求めていき、質問紙の回答数を増やしていきたい。 また、回収した質問紙の数が少ない状況があったため、結果の分析と、論文執筆の作業がやや遅れている。平成25年度は、結果の分析と、学会発表を行った上で、論文の執筆を進めていきたい。 小学校に在籍する聴覚障害児の保護者の質問紙の結果は、分析・検討しているところで、論文の執筆を進めている。 中学校に在籍する聴覚障害児の保護者の質問紙の結果は、分析・検討した上で、中間報告であるが、日本特殊教育学会第50回大会にてポスター発表を行った。また、同学会にて、自主シンポジウム「通常の学級で学ぶ聴覚障害児の教育支援(その3)-軽・中等度難聴乳幼児・児童に対する必要な支援の現状と課題-」を企画し、研究報告を行った。 高校に在籍する聴覚障害児の保護者の質問紙の結果は、分析・検討を行っているところである。中間報告となるが、平成25年度の日本特殊教育学会第51回大会にてポスター発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画として、年度の前半は、小学校・中学校・高校に通う聴覚障害児の保護者の質問紙調査をさらに進め、データ数を増やす。 その上で、年度の後半は、質問紙の分析検討し、その結果を日本特殊教育学会等の学会にて発表する。その上で、論文を執筆し、学会誌および大学紀要等に投稿する。 予定としては、①「通常の小学校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育的ニーズに関する調査」、②「通常の中学校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育的ニーズに関する調査」、③「通常の高校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育的ニーズに関する調査」の3点に関して、論文をまとめていきたい。また、この他に、④「小学校、中学校、高校の聴覚障害児の保護者の教育的ニーズに関する調査の比較研究」に関しても論文をまとめたい。 尚、研究結果に関しては、調査に協力された団体・保護者等の関係者に郵送し、研究成果を報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画としては、国内旅費に関しては、聴覚障害児団体への調査依頼や調査手続きの調整の旅費、研究協力者との打ち合わせにおける旅費、学会にて研究成果を発表する際の旅費を使用する。この他、データ収集と分析を行う際に必要な消耗品の経費を使用する。 次年度使用額(B-A:繰越金)の生じた理由に関しては、質問紙調査の回収数が予定より少なく、調査依頼先での打ち合わせに向かう旅費や、分析にかかる費用が減少したため、残額が生じた。 予算の執行に関しては、本研究を推進させていくために必要な経費であり、その執行については適切に進めていく。
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Research Products
(2 results)