2013 Fiscal Year Research-status Report
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24740232
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土射津 昌久 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70362225)
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Keywords | 分子性導体 / 多軌道系 / 強相関電子系 / 電荷秩序 / 繰り込み群 |
Research Abstract |
本年度は分子内自由度を有する分子系の有効モデルの理論的解析を行った。 1. 前年度に引き続き、(TTM-TTP)I3の特異な電荷秩序を明らかにするため、フラグメント分子軌道に基づく有効モデルの理論解析を行った。本年度は、解析的アプローチである汎関数繰り込み群法を適用し、従来の理論手法では考慮されていなかった多体ウムクラップ散乱を取り取り込む改良を行った。これにより、1/4充填の伝導バンドを持つ系で広く実現する電荷秩序状態を記述するれることが可能となり、通常の金属相、電荷揺らぎの発達した金属相、電荷秩序絶縁相に応じて、電荷感受率が大きく変化することが分かった。 2. フタロシアニン分子素子系における電子状態についての理論的研究を行った。分子素子系の「分子の内部自由度」を正確に取り扱うため、分子系の電子状態の解析には配置間相互作用法に基づく第一原理計算による解析を行い、分子と電極の接合および電極の自由度を含めた多電子系の解析には数値繰り込み群法を適用した。これにより、現実の分子系に即して強相関効果を解析することを可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度当初に計画していた分子素子系の解析のための理論手法開発を遂行し、予備的解析を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究を引き続き推進し、得られた成果をまとめる計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第一原理計算プログラムの購入、およびパーソナルコンピュータの購入を見送ったため。 量子化学計算のための第一原理計算プログラムおよび、結果解析のためのパーソナルコンピュータの購入を予定する。
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Research Products
(10 results)