2014 Fiscal Year Annual Research Report
双安定性を有する多孔性配位高分子を用いた不均一触媒の創成と触媒能の能動的制御
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24750060
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
米田 宏 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50622239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気的双安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多孔性配位高分子の骨格構造に、外場応答部位としてのスピン転移サイトと触媒活性なオープンメタルサイトを合理的に配列させて、内部細孔を利用したゲスト分子認識、および機能性サイト間の相互作用と電子状態制御により、単独では発現し得ない創発的な機能発現を目的とした。 これまでに、室温で磁気安定性を示す多孔性配位高分子 {Fe(pz)[Pt(CN)4]} (1; pz = ピラジン) が、1)スピン転移に伴い内部細孔のサイズが約30%変化すること、2)様々な溶媒分子の吸脱着が可能であり、化学的刺激によるホスト骨格のスピン状態の可逆的変換が観測されたことにより、電子状態と構造の柔軟性を有する特異な相互作用空間を構築することに成功した。加えてゲスト分子にアクリロニトリルを用いると、1は低スピン相が安定化されることを観測した。ホスト-ゲスト間の特異な相互作用によるアクリロニトリル分子の規則配列が示唆されるが、ゲスト包接体の構造決定には至らなかった。今後は骨格内での重合反応を検討している。 一方、ゲストとして二硫化炭素(CS2)を用いたCS2包接体に光照射による、高スピン相への光誘起スピン転移とそれに伴うゲスト分子の放出制御に関して検討を行った。光照射に伴って一部のゲスト分子の放出が観測されたが、放出されたCS2は10%程度であり、照射条件を検討している。さらに放出されたCS2を反応基質と見立て、アルコール分子とのキサントゲン酸、ならびにアミンを反応基質とするジチオカルバミン酸の生成を光照射により制御することを試みた。現在反応溶液の量等の詳細な条件の検討を行っている。
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[Journal Article] Guest Modulation of Spin-Crossover Transition Temperature in a Porous Iron(II) Metal-Organic Framework: Experimental and Periodic DFT Studies2014
Author(s)
Daniel Aravena, Zulema Arcis Castillo, M. Carmen Munoz, Ana B. Gaspar, Ko Yoneda, Ryo Ohtani, Akio Mishima, Susumu Kitagawa, Masaaki Ohba, Jose. Antonio. Real, Eliseo Ruiz
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 20
Pages: 12864-12873
DOI
Peer Reviewed