2013 Fiscal Year Annual Research Report
単一ガイドロボットを用いた複数の細菌駆動マイクロロボットの自律的操作の開発
Project/Area Number |
24760205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野川 晃佑 名古屋大学, 高等研究院, 特任助教 (30608881)
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス |
Research Abstract |
本研究課題では,細菌駆動マイクロロボットをDDS等に実際に応用する際に課題となると考えられる操作手法に関して,オペレータがたった一つのガイドロボットを操作するだけで複数の細菌駆動マイクロロボットを任意に操作することが出来る手法を,血管を模したマイクロ流路内などで実現することを目的とするが,前年度において,本研究課題における提案手法で操作される対象である細菌駆動マイクロロボットでアクチュエータとして使用している細菌べん毛モータの特性の更なる解析が課題であることが明確となった. そのため,今年度は,その駆動源であるプロトンorナトリウムイオンや誘引・忌避物質その他の化学物質の濃度変化に対する応答観察に基づく細菌べん毛モータの特性解析を行なうため,局所的なイオン・化学物質の濃度を操作するための局所環境制御システムの開発を行なった.具体的には,従来より任意な局所環境制御を達成するためにWorld-to-chip interfaceを有するマイクロ流体チップとピペットを用いた局所環境制御手法を提案した.実際にWtCIマイクロ流体チップを2段フォトリソグラフィにより作製し,精密に制御可能なシリンジポンプを使用して局所環境制御システムを構築した.更に,層流境界面の操作による離散的濃度操作と,溶液Aの流れの層とマイクロピペットからの溶液Bの噴出の相互作用による連続的濃度操作を実験的に実証し,提案した局所環境制御手法のフィージビリティを示した.そして,少なくともμM以下のオーダーの分解能,およびサブミリ秒以下の時定数(応答性)という性能を発揮することが示された.本環境制御システムは,任意に生成した様々なイオン濃度変化に対する応答を解析することで,べん毛モータの特性解析はもちろん,その他生体サンプルにも広く応用可能であると考えられ,生物学の発展にも大きく寄与すると期待される.
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Research Products
(4 results)