2013 Fiscal Year Research-status Report
インプラントBANにおける無線通信機能のみを用いた通信端末位置推定方式
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24760297
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安在 大祐 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40611116)
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Keywords | インプラントBAN / 通信端末位置推定 / カプセル内視鏡 |
Research Abstract |
当初の研究実施計画の通り平成25年度の研究目標として、【1】信号到来時間による位置推定方式の開発、【2】位置推定方式に対しカプセル内視鏡の動きモデルを導入したトラッキング方式の開発、【3】受信電力による位置推定方式(前年度開発方式)と信号到来時間による位置推定方式(本年度開発)の2方式の比較評価、の3つを設定し本研究を遂行した。 【1】信号到来時間による位置推定法では、距離の分解能は信号の帯域により依存するため、本研究は3.4 - 4.8 GHz帯のUltra WideBand (UWB)信号による方式を検討した。体内を伝搬する信号は人体によって波長短縮の影響を受け、信号伝搬速度が変化する。その結果、信号到来時間による距測には人体中の信号伝搬速度を推定する必要がある。本方式では、前年度に開発した信号到来時間に関する伝搬モデルを基にして信号伝搬速度の推定も同時に行う位置推定方式を開発し、予め信号速度の変化の事前測定を必要としない位置推定方式の実現を達成した。 【2】内視鏡トラッキング方式を提案するためには、内視鏡の位置の推移を表す状態遷移モデルも必要となる。本研究は,この状態遷移モデルを検討した上で、パーティクルフィルタによる内視鏡位置トラッキング方式の開発を行った。基となる位置推定法は、受信電力による方法と信号到来時間による方法の2つを対象にし、パーティクルフィルタによるトラッキング方式導入の効果を評価し、最大90%程度の位置推定誤差低減を確認した。 【3】上記の受信電力による方法と信号到来時間による方法の2つに対して計算機シミュレーションによって特性比較を行った。位置推定誤差のRoot Mean Square Error (RMSE)特性評価では、受信電力による方法では約7mm、信号到来時間による方法では約2mmという結果を得ることができ、両方式においてRMSE特性を1cm以下に抑えた高精度な位置トラッキングの実現を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、カプセル内視鏡位置の高精度取得方式の開発である。前年度において達成した位置推定のためのチャネルモデルの検討と受信電力による位置推定法の開発から引き続き、本年度は(1)信号到来時間による位置推定方式の開発、(2)位置推定方式に対しカプセル内視鏡の動きモデルを導入したトラッキング方式の開発、(3)受信電力による位置推定方式と信号到来時間による位置推定方式の2方式の特性評価及び比較、の3つの項目を実施計画通りに実施した。開発方式の位置検出精度も1cm以下を達成できており本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までで開発した位置推定方式とターゲットトラッキング方式の特性を最終年度では,理論解析、計算機シミュレーションおよび実験によって特性解析を行う.実験では生体等価液体ファントムを用いた実験を予定し,400MHz帯やUWB帯信号などを用いて評価を行う.本実験では位置推定実験に必要となるチャネルモデルの検証も実施し、理論解析、計算機シミュレーションや実験による特性解析の比較・検討を行う.以上の結果を踏まえて,実際でのカプセル内視鏡位置推定・ターゲットトラッキングでの実環境での性能の評価を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アクセラレータの納期が遅く購入タイミングが次年度へずれこみ、その購入資金分が未使用となったため。 購入予定のアクセラレータを次年度の早期に購入し、計算機シミュレーションの速度向上を図る。
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