2014 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークシステムに対する分散制御器設計理論の体系化
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24760336
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
櫻間 一徳 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10377020)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネットワークシステム / 分散制御 / 制御器設計 / マルチエージェントシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ある要素(サーバーやロボット)がネットワーク上で情報交換をしながら,制御目的(タスク)を達成するための分散制御器の設計理論を体系化した.分散制御器とはネットワーク上で直接繋がれた相手の情報のみを用いる制御器である.これによって,各自が扱う情報量と計算負荷が低減する.しかし,ネットワークが疎になるにつれ利用できる情報が減るため,必ずしもタスクを達成できなくなることがある.ここではタスクを近似的に解決することを許し,ある意味で最もタスクを達成していることが保証される分散制御器を設計する方法を提案した. 本研究の主要な成果は,このような意味での最適な分散制御器設計法を確立したことである.各年度の成果は,(i)H23:ネットワーク上の分散制御器によって達成できるタスクの特徴付けを行い,(ii)H24:与えられたタスクに対する分散制御器の最適設計の手順を与え,(iii)H25:その応用可能性を示したことである. (i)では,どのようなタスクであれば与えられたネットワークによる分散制御器によって実現可能か,そのクラスを厳密に特徴付けた.これによって,試行錯誤的に行われてきた分制御器設計を機械的な手順で設計できるようになった. 実際,(ii)において,分散制御器の設計手順を示した.まず与えられたネットワーク上の分散制御器を自由度をもつある種の構造の関数によってパラメータ化し,次にその自由度を決めることでタスクの達成度を評価する関数を設定する,というものである. 提案法の応用可能性を示すため,(iii)で,アクティブノイズコントロール(ANC)システムおよびスマートグリッドシステムに対する分散制御器を設計し,実験等によって有効性を確認した.以上によって,分散制御というシステムへの負荷の小さい方法によってQOL(Quality of Life)を改善できることを示した.
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Remarks |
1.計測自動制御学会 2015年制御部門大会賞受賞 2. The 20th International Symposium on Artificial Life and Robotics Best Paper Award 受賞
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