2014 Fiscal Year Annual Research Report
一流体モデルによる掃流砂・浮遊砂・土石流の遷移域の評価と河床変動解析への適用
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24760394
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 土石流 / 泥流 / 掃流砂 / 浮遊砂 / 数値シミュレーション / 流砂 / 河床変動 / 土砂災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
流砂の形態には,掃流砂・浮遊砂・ウォッシュロード・土石流・泥流が存在する.ウォッシュロードの定義は非常に曖昧であり,輸送形態は浮遊砂と同様と考えられるため,これらをまとめて浮遊砂とする.掃流砂と浮遊砂の関係は,土石流・泥流の関係と同一であり,流砂の層がすべて層流で形成されているのが掃流砂と土石流であり,流砂の層が層流と乱流で形成されているときの乱流域の流砂形態が浮遊砂と泥流である.掃流砂と土石流の力学機構の違いは無く,掃流砂の方が緩勾配域で形成され,流砂が流れていない清水域が多い.浮遊砂と泥流の力学機構の違いも無く,浮遊砂の方が緩勾配域で形成されて土砂濃度が低い.このような取り扱いのもと,河床近傍に層流域,その上に乱流域を有する二層流による泥流の流動形態を考え,泥流の抵抗則と泥流を伴う土石流(層流域)の流動層厚の式を提案し,昨年度作成した一般座標系による平面二次元の河床変動解析モデルに導入し,2013年10月に伊豆大島で発生した泥流現象の数値シミュレーションを行い,泥流現象の再現性が良好であることを確認した.さらに,2014年8月に広島で発生した土石流の数値シミュレーションを行い,土石流現象の再現性も良好であることを確認した.つまり,これまで現象の再現が非常に困難であった土砂濃度の高い土砂と水の混合物の流動現象に対して,土石流から泥流に及ぶ広い範囲の物理条件における現象を同一の支配方程式で表現可能となった.その結果,出来ることが可能となり,土石流現象,泥流現象,土石流と泥流が共存している現象,斜面勾配の変化による泥流から土石流への遷移現象を連続的に評価できるようになった.
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Research Products
(5 results)