2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760424
|
Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
大賀 涼 科学警察研究所, 交通科学部, 主任研究官 (50392262)
|
Keywords | 超小型モビリティ / 交通事故解析 / 交通事故分析 / 交通工学 / 機械力学 / 衝突安全 / インパクトバイオメカニクス / ミニカー |
Research Abstract |
本研究は超小型モビリティのひとつであるミニカーを対象とした研究である。 次世代を担うと期待される超小型モビリティであるが、その安全性に関する研究は十分に行われていない。そこで、本研究では交通事故統計と事故再現実験をとおして、ミニカーの関わる交通事故について調査した。 まず、交通事故統計から現在の事故の発生状況を調査した。その結果、以下の成果を得た。(1)速度上限60 km/hに対して事故時の速度は主に20~40 km/hであった。(2)ミニカーと衝突した車両の主な速度は、さらに10 km/h低い速度であった。(3)シートベルトの着用による効果がみられた。 次に、バリア衝突試験を行い、事故状況の再現を行った。その結果、以下の成果を得た。(1)衝突によりキャビンが変形した。これによりシートベルトの固定部が移動したために十分な効果を発揮できず、乗員上体が前傾してハンドル等に衝突した。(2)キャビンを載せたシャシーは十分な強度を有していた。そのため、キャビンとシャシーの連結方法を改善することで、シートベルトの問題が解決するものと考えられる。(3)AHOFが400mm以下と低いため、対乗用車では潜り込み事故の危険性が考えられる。 以上の結果を踏まえ、今後のミニカー活用に際して以下の提言をするに至った。(1)利用実態を把握したうえで、ゾーン30などの環境側からの整備を並行して進める。(2)キャビンとフレームの連結方法の改善をはかる。(3)対乗用車のコンパチビリティを検討する。
|