2013 Fiscal Year Annual Research Report
建物と地盤の動的相互作用を考慮したRC制振構造の最適ダンパー特性の解明
Project/Area Number |
24760441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白井 和貴 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20610968)
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Keywords | 制振構造 / 地震応答 / 最適制御設計 / 最適ダンパー / 建物地盤動的相互作用 / 非線形応答 / 伝達関数 / 振動台実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、層間ダンパーを有するパッシブ制振構造を対象として、建物と地盤の動的相互作用を考慮した強震時の制振効果を最大化する最適なダンパー特性を明らかにするとともに、試行錯誤的な時刻歴地震応答解析に依らずに効率的なダンパー解を理論的かつ簡易に評価する方法を構築することである。 平成24年度の実施内容の概要は、次の通りである。まず、建物地盤動的相互作用を考慮した最適ダンパー特性の理論的および解析的検討を実施した。層間にダンパーを有するパッシブ制振構造の上部構造モデル+スウェイ・ロッキング地盤モデルを用い、地震応答 を最小化する最適ダンパー特性に対して地盤性状が及ぼす影響について、理論的評価を行った。建物-地盤連成系の伝達関数に着目し、その評価指標(地震動の周波数特性を考慮した重み付き2乗平均平方根など)を最小化する最適ダンパー解について検討した。さらに、時刻歴地震応答解析を実施し、伝達関数に基づく理論的評価手法の妥当性を検証した。これらの結果、建物地盤動的相互作用を考慮すると、地盤と建物の条件によっては基礎固定の場合と比べて最適ダンパー解が大きく異なる可能性があることが示された。 平成25年度の実施内容の概要は、次の通りである。制振構造とスウェイ・ロッキング地盤挙動を模擬した模型の振動台加振実験を実施し、最適ダンパー特性が建物地盤動的相互作用の影響によって変化することを確認した。また、振動台実験結果と地震応答解析結果の比較により最適ダンパー理論の妥当性を検証した。 以上の検討を通して、本研究の具体的目標として挙げた(1)ダンパーを付与した上部構造モデル+スウェイ・ロッキング地盤モデルを対象に地盤の硬軟が最適ダンパー特性に及ぼす影響を理論的に検討すること、(2)制振構造と周辺地盤を模擬した縮小模型の振動台加振実験を行い最適ダンパー理論の妥当性を検証すること、を達成した。
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