2012 Fiscal Year Research-status Report
機能性原子団を導入した分子性金属酸化物アニオンで構成されたイオン結晶の触媒機能
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24760634
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 裕一 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (10374638)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヘテロポリ酸 / ポリオキソメタレート / 疎水性 / 過酸化水素酸化 / セシウム塩 |
Research Abstract |
反応活性サイトおよび表面改質サイトとなる機能性原子団を導入したKeggin型ヘテロポリ酸(F-POM)と酸性カチオンからなるイオン結晶を合成し、その触媒機能を調べることを目的としている。本年度は、Sn-R(RはOH, C4H9, C8H17)を導入したF-POMとセシウムカチオンからなるイオン結晶の合成に成功した。これらを触媒としてアルコール類のH2O2酸化を行ったところ、Sn-C8H17を導入したイオン結晶(C8H17-POM-Cs+)が最も高い触媒活性を示した。Sn-R自身はH2O2酸化の触媒にはならない事から、それらはイオン結晶の表面改質サイトを形成していると考えた。イオン結晶の表面疎水性をH2O吸着等温線測定により評価したところ、Sn-Rのアルキル鎖が長くなるに従ってその表面の疎水性が高くなった。表面積および細孔特性はSn-Rの種類に依存しなかった。これらのことから、C8H17-POM-Cs+が最も高い触媒活性を示したのは、導入されたSn-C8H17とアルコールが疎水性相互作用によって表面に強く吸着し、その結果、反応が促進されたと推測した。C8H17-POM-Cs+を触媒としたアルコールのH2O2酸化の途中で触媒を除去すると反応は停止したことから、C8H17-POM-Cs+は不均一触媒として機能していることが確かめられた。また、C8H17-POM-Cs+を繰り返し反応に用いたところ、少なくとも3回の再使用において触媒性能の大幅な低下は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、反応活性サイトおよび表面改質サイトとなる機能性原子団を導入したKeggin型ヘテロポリ酸と酸性カチオンからなるイオン結晶を合成し、その触媒機能を調べることを目的としている。本年度は、Keggin型ヘテロポリ酸へのSn-R基の導入に成功し、またそのセシウム塩の酸化触媒性能を調べ、導入した官能基の性質に依存した触媒特性が発現する事を見いだした。これらの研究活動は、交付申請書に記載した研究計画に概ね沿って行われており、得られた成果も研究目的において大きなウェイトを占めている。以上より、研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果を踏まえ、今後はSn-R以外の官能基を導入したKeggin型ヘテロポリ酸ならびにそのH+塩、Fe3+塩を系統的に合成し、酸化反応→酸触媒反応、光触媒反応→酸触媒反応などの逐次反応をワンポットで効率的に進行させることを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も上記の研究を遂行するため、消耗品時、学会発表および情報収集のための旅費、研究補助者への謝金支給のために、研究費を使用する。使用計画に大きな変更は無い。
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Research Products
(3 results)