2012 Fiscal Year Research-status Report
環境変化がコナラ属の開花・結実様式に与える影響の解明
Project/Area Number |
24770021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮崎 祐子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20443583)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トランスクリプトーム解析 / 遺伝子発現解析 / マスティング / 加温実験 / コナラ属 |
Research Abstract |
多くの植物種では開花・結実量に年変動がみられる。本研究ではコナラ属を用いて、1)野外実験により環境条件を操作して開花・結実量の変化を調査し、2)同実験環境下で花芽形成から種子成熟までに起こる遺伝子発現変化を捉えることで、3)年変動を引き起こす要因を明らかにすることを目的とする。平成24年度は、加温処理を行った際に、生理反応の初期段階として起こる遺伝子発現の変化を明らかにするため、複数の時期から採取した複数の器官において網羅的遺伝子発現解析を行った。 加温実験は北海道大学苫小牧研究林のコナラ成木3個体OTCC(Open Top Canopy Chamber、2m四方の透明アクリル板で樹冠上部の一部を囲う)を設置することで行った。OTCC内部はOTCC外部と比較して日中の平均気温が 1.17度上昇していた。OTCC内部(加温処理)と同個体のOTCC外部(コントロール)からそれぞれ葉、芽、雌花、雄花(開花直後のみ)を2012 年6月~7月に採取し、遺伝子発現解析試料とした。採取した試料は次世代シーケンサーIllumina HiSeq 2000を用いてde novoトランスクリプトーム解析を行った。マッピングされたリードを用いてDEGseq(Wanget al. 2010)により発現解析を行い、加温処理とコントロールの間で発現に差のある塩基配列を抽出した。さらにBLASTプログラムを用いてデータベース (DDBJ/EMBL/GenBank)上の既知遺伝子との相同性検索を行った。その結果、加温処理により、光合成関連遺伝子や花粉管伸長関連遺伝子等の発現が高く、花成制御遺伝子等の発現は低く制御されていた。今後、これらの遺伝子の発現挙動を詳細に解析することで、温暖化に対する様々な応答反応の全体像を捉えていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気温操作実験に関しては次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析に着手することができ、また解析についてもほとんど終了し、論文化の準備を進めている状況であるため。また、養分量操作実験に関しても予定通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
加温実験供試個体およびコントロール個体について、花芽形成から種子成熟までの各発達ステージにおいて花成制御遺伝子(LEAFY, AP1, FT等の相同遺伝子)、および種子成熟に伴って発現する遺伝子について、リアルタイムPCR法により発現量を定量する。また、養分量操作実験を実施し、サンプルを採取し、測定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として主に、リアルタイムPCR法による遺伝子発現解析のための試薬や消耗品、養分量操作実験個体調査用の道具類および分析にかかる試薬類が挙げられる。また、旅費として主に、岡山大学から北海道大学苫小牧研究林への野外調査が挙げられる。
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Research Products
(3 results)