2012 Fiscal Year Research-status Report
マウス由来膜タンパク質TRICチャネルのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
24770089
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 恵子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 研究員 (50597870)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | X線結晶構造解析 / 膜タンパク質 / イオンチャネル |
Research Abstract |
小胞体からのカルシウム放出は筋収縮やホルモン分泌等の多くの重要な生理機能の調節に関与する。カルシウムは主に小胞体内膜に存在する2つのカルシウムチャネルにより放出されるが、近年、Tricと呼ばれるチャネルが2つのカルシウムチャネルと連動して、カルシウム放出機構を制御していることが明らかとなった。本申請ではTricA及びTricBを対象とし、昆虫細胞を用いたチャネルタンパク質の大量調整法の確立、X線結晶構造解析法による立体構造決定を行うことで、構造学的観点から、カルシウムシグナル制御機構の解明を行うことを目的としている。 平成24年度は、立体構造解析により適したサンプルを調製することに主眼をおいて研究を行った。研究開始時にマウス由来のTricA、TricBの全長及びC末端側を削ったコンストラクトを作製し、昆虫細胞を用いて大量発現することに成功していたが、様々な界面活性剤を検討した結果、不安定なタンパク質で構造解析に適したサンプルでないことが明らかとなった。そこで、ホモログタンパク質に着目し、ゼブラフィッシュ、クラミドモナス、バクテリア由来のTricAをクローニングし、昆虫細胞と大腸菌にて大量発現に成功した。界面活性剤の最適化の結果、近年新しい界面活性剤として注目されているMNG-3で最も安定に保つことができることが明らかとなった。現在、通常の結晶化法に加え、脂質キュービック法も用い、結晶化スクリーニングを行っている。更にアミノ酸配列の長さの切り詰めや変異体の作成、結晶化しやすいタンパク質との融合など多種の発現系を作成し、結晶化に適した安定なコンストラクトの調製を試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tric チャネルの立体構造解析に向けて、サンプルの調製、安定に保つことのできる条件の最適化が順調に進行した。
|
Strategy for Future Research Activity |
結晶構造解析に適したTricAサンプルを用い、より良質な結晶を作製し、大型放射光施設にてX線回折実験を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|