2013 Fiscal Year Annual Research Report
マウス由来膜タンパク質TRICチャネルのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
24770089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 恵子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 研究員 (50597870)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 膜タンパク質 / イオンチャネル |
Research Abstract |
小胞体からのカルシウム放出は筋収縮やホルモン分泌等の多くの重要な生理機能の調節に関与する。カルシウムは主に小胞体内膜に存在する2つのカルシウムチャネルにより放出されるが、近年、Tricと呼ばれるチャネルが2つのカルシウムチャネルと連動して、カルシウム放出機構を制御していることが明らかとなった。本申請ではTricA及びTricBを対象とし、昆虫細胞を用いたチャネルタンパク質の大量調整法の確立、X線結晶構造解析法による立体構造決定を行うことで、構造学的観点から、カルシウムシグナル制御機構の解明を行うことを目的としている。 平成25年度は、様々な生物種のTricホモログの結晶化と、結晶の改善を目指したサンプルの調製に主眼をおいて研究を行った。マウス由来のTricA及びTricBは不安定で結晶が得られなかった事から、ゼブラフィッシュ、クラミドモナス、最近発見されたバクテリア由来のTricホモログをクローニングし、昆虫細胞と大腸菌にて大量発現、精製、結晶化スクリーニングを行ったところ、Sulfolobus solfataricus 由来のTricチャネルで結晶化に成功した。クラミドモナス由来Tricでも結晶が得られたが、構造解析には適さない結晶であることが明らかとなった。更にバクテリア由来のTricに対し界面活性剤の最適化を行ったところ、DM及び新しい界面活性剤として注目されているNG322で結晶がより改善する事が明らかとなった。また、タグの切断、アミノ酸配列の長さの切り詰めを行ったところ、より大きな結晶が得られた。現在、脱水等により分解能向上を試みている。今後、結晶が得られ次第X線回折実験を行う予定である。
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