2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24770219
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
塩井 剛 独立行政法人理化学研究所, 発生・再生科学総合研究センター, 専門職研究員 (60391968)
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Keywords | 前後軸形成 / 胚培養 / ライブイメージング / レポーターマウス / 細胞挙動 |
Research Abstract |
マウスの体軸形成、特に、前後軸の形成機構を明らかにするため、前後軸に沿って非対称に発現する遺伝子の探索を行った。そうしたところ、最も早く非対称に発現する遺伝子はOtx2とDkk1であることが明らかになった。また、最初にOtx2を発現し始める細胞と、形態的に前後軸が形成された時にOtx2を発現する細胞が一致していないことも明らかになった。Dkk1の発現はOtx2によって誘導されていることが既に報告されている。以上のことから、Otx2を発現する細胞自体が重要な役割を持つというより、Otx2の非対称な発現を誘導する遺伝子が、前後軸を決める重要な役割を担っていることが推測された。 形態的に前後軸が明らかになるステージの胚において、細胞がどのように挙動しているかを明らかにすることは、前後軸の形成機構を考える上で必要不可欠である。ライブイメージングに適した全胚培養の実験系を確立し、visceral endodermの細胞挙動を解析した。現在までに次のことが明らかになった:1)姉妹細胞の分裂は同調している。2)姉妹細胞は隣り合うように位置する。3)将来のanteriorに位置しDVEよりproximalに存在する細胞群も、DVEと同様の細胞移動をする。4)DVEとAVEの細胞の由来は同じではない。以上の結果から、DVEを含む細胞群を一方向へと動かすメカニズムが存在することが推測される。 また、epiblast特異的なレポーターマウスとvisceral endoderm特異的なレポーターマウスの作成に成功し、これらを交配させて合わせてライブイメージングすることで、より詳細に細胞挙動を解析できる実験準備が整った。
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