2012 Fiscal Year Research-status Report
絶対寄生性線虫の全ゲノム増幅による次世代シーケンシング解析
Project/Area Number |
24780044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
菊地 泰生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20353659)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲノム / 線虫 / 寄生虫 |
Research Abstract |
多くの寄生性線虫における難培養性はゲノム解析時の大きな障害となっている。1個体からの全ゲノム増幅‐次世代シーケンサーの組み合わせによる解析は、寄生性線虫におけるゲノム研究に大きな進歩をもたらすと期待される。本研究では寄生性線虫における効率の良いゲノム解析を行うための全ゲノム増幅-次世代シーケンシング法を開発し、線虫個体間の比較ゲノム解析に用いることで寄生線虫の病原性関連遺伝子の解明を目指す。今年度は、1) 既存のWGAシーケンシングデータを詳細に検討し、WGA反応によって発生するゲノムの一部重複、欠損、塩基の取り込みエラー、不均衡増幅、およびそれに基づくゲノム再構築(アセンブリー)の際の問題について詳細に明らかにし、2) 明らかにした問題点に基づいて、新たなWGA法を考案し、C. elegansゲノムを使った増幅を行う計画のもと研究を遂行した。既存の全ゲノム増幅シーケンシングデータ(2種の線虫:ヒツジ捻転胃虫Haemonchus contortus、ジャガイモシストセンチュウGlobodera pallida)をドラフトゲノムへのマッピングにより、増幅均一性(カバレージ)、一塩基多型(SNPs)、キメラ構造DNAの生成について検討し、ゲノムアセンブリにはキメラ構造の生成が大きな問題になることを確認した。WGAには3種の方法を考案し、それぞれの方法でモデル線虫C. elegansを使用し線虫ゲノムを増幅する手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトはほぼ当初の計画通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル線虫C.elegansゲノムを3種の全ゲノム増幅法で増幅し、次世代シーケンサーを用いて大量のシーケンスリードを獲得する。獲得したリードをリファレンスゲノムにマッピングし、増幅均一性(カバレージ)、一塩基多型(SNPs)、キメラ構造DNAの生成について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全ゲノム増幅のための試薬、次世代シーケンシング費用、および研究打合せ旅費に使用する。
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