2012 Fiscal Year Research-status Report
リシーケンス解析によるラン藻の新規高温耐性遺伝子の探索
Project/Area Number |
24780082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
兼崎 友 東京農業大学, 応用生物科学部, 研究員 (70380293)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シアノバクテリア / 次世代シーケンサー / リシーケンス解析 / 高温ストレス |
Research Abstract |
シアノバクテリアのゲノムには自然突然変異が起きやすいことは経験的に広く知られている。従来までは、突然変異により環境ストレス耐性を獲得した変異株の原因遺伝子座を決定することは非常に困難であった。本研究においては、次世代シーケンサーを用いたリシーケンス解析により、シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942 研究室株の完全なゲノム情報を再整備する。その上で、新たに高温耐性突然変異株を単離して、それらのリシーケンス解析をおこない、バイオインフォマティクスの手法と分子生物学的手法をを駆使して高温耐性に関わる変異遺伝子座を同定する。 本年度は、基準となるシアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942 Nodai株、に加え、亜型株であるWaseda株、Nagoya株、Akita株について、リシーケンス解析により全ゲノム情報を決定し、それらの株に固有の変異部位を同定した。また、これらの新規基準株間に共通に見られる変異が存在することから、2005年の最初のゲノム解読に使われた株に固有の変異が存在する可能性が高いことも明らかにした。リシーケンスをおこなったNodai株とNagoya株は、高温耐性や遊泳性などの表現型の違いが知られているが、これらの変異遺伝子座について、一つづつバッククロスをおこない、遊泳性に関わる遺伝子座を解明した。また、高温感受性である新規基準株から、新たに高温耐性のコロニーを11株、取得することに成功した。現在、これらの高温耐性株のリシーケンス解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942の研究室株群のリシーケンス解析を完了し、解析の基準となる株のゲノム配列情報を確定した。また計画通り、これらの株をベースとした新規高温耐性突然変異株の取得に成功した。またトランスクリプトーム解析についても実験手法の整備を完了した。以上より、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、新規取得した高温耐性株の生理学的なデータの収集を進めており、表現型の近い株群にリシーケンス解析とトランスクリプトーム解析をおこなうことで、高温耐性機構に関わる遺伝子の推定を進める。また既に同定した変異遺伝子座については順次バッククロスをおこない、高温耐性に関わる遺伝子座の解明を目指す。また、トランスクリプトーム解析を実施し、ゲノムワイドな遺伝子発現レベルでの株間比較をおこなう計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き、次世代シーケンサーを運用するためのDNAライブラリー作製用の試薬に大部分を使用することになる。前年度は試薬メーカーの価格改定のため、一部の試薬の購入計画の変更が必要となったが、今年度は問題ないと思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Iodide oxidation by a novel multicopper oxidase from the alphaproteobacterium strain Q-1.2012
Author(s)
Suzuki M, Eda Y, Ohsawa S, Kanesaki Y, Yoshikawa H, Tanaka K, Muramatsu Y, Yoshikawa J, Sato I, Fujii T, Amachi S.
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Journal Title
Appl Environ Microbiol.
Volume: 78
Pages: 3941-3949
DOI
Peer Reviewed
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