2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模崩壊地からの土砂生産過程の解明と生産量の推定
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24780141
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
今泉 文寿 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80378918)
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Keywords | 大規模崩壊 / 土砂生産 / 凍結融解 / 地形計測 / 付加体 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度まで行っていた大規模崩壊地内の岩盤の地形変化についてのGIS(地理情報システム)を用いた解析をさらにすすめ,土砂生産量の空間分布や時間的変化に明確化した。その結果,土砂生産量は地質や傾斜の影響を受けて空間的にばらついていること,さらには大規模崩壊地内の土砂生産が複数の現象によって複合的になされていることを明らかにした。調査対象とした赤崩や大谷崩(いずれも静岡市内)では,凍結融解などの毎年おきる定常的な土砂生産と,大規模崩壊地内の2次的な小崩壊のような突発的におきる土砂生産の2種類に大別された。 また,土砂生産量の空間分布を説明するため,モデルの作成・適用に着手した。本研究では,定常的な土砂生産量の空間分布を説明するための幾何学モデル,および大規模崩壊地内で発生する2次的な崩壊を説明するための物理モデルの2種類のモデルについて検討した。2種類のモデルともに,大規模崩壊地が発生しやすいとされる,複数の地質から構成される斜面を前提としたものである。前者のモデル(定常土砂生産のモデル)は,地質ごとに定常的な土砂生産量が異なる場合にどのように地形変化がおきるかを説明可能なモデルである。赤崩における現地観測結果にモデルを適用した結果,定常的な土砂生産量の空間分布傾向をモデルは大まかに説明することができた。後者のモデル(崩壊モデル)は,斜面内の間隙水圧の分布の説明をもとに崩壊の発生メカニズムを説明しようとするものである。室内実験を行い,モデルが複数の地層にまたがる飽和帯水層の間隙水圧を適切に説明できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地データの獲得については当初の目標を達成できていない部分があるものの,土砂生産の空間分布を説明するための地形データの解析やモデルの作成・適用については順調に進展をしている。全体としては,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度から現地調査による地形計測を行ってきたが,天候不順や観測機器の故障等により,地形計測を中断せざるを得なくなった。その一方で,調査対象としている大規模崩壊地における航空レーザー測量による良好な地形データを獲得することができ,現地調査によるデータの不足分を補うことができた。今後は,現地調査により得られた計測データと航空レーザー測量の成果を組み合わせた地形解析をすすめていく。また,その結果をふまえつつモデルの改良を行っていく。
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[Journal Article] Influence of past landslides and resulting sedimentation in a sediment disaster at Shao-ling village, Taiwan, during Typhoon Morakot, 20092013
Author(s)
Hotta, N., Kubo, T., Imaizumi, F., Miyamoto, K., Lee, S.P., Tsai, Y.L.,Shieh, C.L.
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Journal Title
Proceedings of 4th International Workshop on Multimodal Sediment Disasters
Volume: 1
Pages: 117-124
Peer Reviewed
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