2012 Fiscal Year Research-status Report
差分進化法を用いた家畜ふん尿処理の環境影響およびコスト最適化
Project/Area Number |
24780264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
荻野 暁史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所畜産環境研究領域, 主任研究員 (70355098)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家畜ふん尿処理 / LCA / 環境負荷 |
Research Abstract |
本研究では、進化的アルゴリズムの一つである差分進化法 (Differential evolution: DE)等を用いて我が国家畜ふん尿処理の最適化を行い、環境影響・コスト等に応じて都道府県ごとに最適化されたふん尿処理方式の組合せを明らかにし、国レベルの農業環境施策および地域マネジメントに資することを目的とする。 本年度は、様々な家畜ふん尿処理手法について、投入物と処理物のマテリアルバランス、コスト、環境負荷すなわち温室効果ガス排出量、富栄養化物質排出量、非再生可能エネルギー消費量を、ライフサイクルアセスメント (LCA)およびライフサイクルコスト (LCC)の概念に基づき明らかにした。現状の処理体系に含まれるふん尿処理過程において投入される燃料・電力・資材量および生産される再生エネルギー・製品量については、文献を参考にデータを収集した。情報が欠落している処理技術および新規処理技術に関しては現地調査を行った。新規技術に関しては報告書・聞き取り・実証施設の調査等によりデータを収集した。同時に、畜種別家畜ふん尿発生量、各畜種におけるふん尿処理方法別割合、農作物の種類および作付面積に基づくふん尿由来肥料需要量等を、文献および統計データを用いて都道府県別あるいは地方別に整理した。また、DE等を用いた我が国家畜ふん尿処理の最適化手法についても検討を開始し、最適化プログラムの構造設計を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々なふん尿処理からの環境負荷に関して、文献を用いたデータ収集を行い、差分進化法等を用いた我が国家畜ふん尿処理の最適化手法についても検討を開始するなど、おおむね計画どおりに進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、様々な家畜ふん尿処理手法について文献調査および現地調査を行い、環境負荷およびコスト解析を進める。また、家畜ふん尿発生量、農作物の種類および作付面積に基づくふん尿由来肥料需要量等の整理を行う。そして、得られたデータを基に家畜ふん尿処理に関わる環境負荷物質排出量、地域内栄養塩バランス、コストを都道府県別に算出するモデルを構築する。差分進化法等を用いた我が国家畜ふん尿処理の最適化手法についても検討を進め、最適化プログラムの作成を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画どおり使用する。なお、次年度使用額330,164円は、研究費を効率的に使用したことおよび現地調査用旅費の使用が少額に留まったことによる残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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Research Products
(1 results)