2014 Fiscal Year Annual Research Report
尿中エクソソームアクアポリン1およびアクアポリン2排泄の生理的調節機構の基礎研究
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24780287
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
園田 紘子 宮崎大学, 農学部, 助教 (60608272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオマーカー / エクソソーム / アクアポリン / 腎疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は尿中エクソソームに含まれる水チャネル、アクアポリン-1(AQP1)およびAQP2の生理的排泄調節について基礎的検討を行うことを目的としている。H26年度では血圧の変化と尿中エクソソームAQPsタンパク質排泄量の変化について検討を行った。 自然発症高血圧ラット(SHRラット)は通常の飼育下で加齢とともに高血圧を発症する。このSHRラットと遺伝的コントロールであるWKYラットを用いて、3~7週齢で非観血的血圧測定を行った。また、各週齢において6時間蓄尿を行い、段階遠心法によって尿中エクソソーム分画を分離した。尿中エクソソームサンプルは尿中クレアチニン量で補正した上で、AQP1およびAQP2のタンパク質量をイムノブロット法によって解析した。 SHRラットの収縮期血圧は4週齢まではWKYラットとの差はみられなかったが、5週齢以降で有意な上昇が認められた。平均血圧に関しては、6週齢以降でSHRラットはWKYラットと比較して有意に上昇していた。腎機能については血中クレアチニン濃度によって評価したが、全ての週齢においてWKYラットとSHRラットの間に差は見られなかった。尿量については、6週齢でのみSHRラットで有意に増加したが、その程度は小さいものであった。またこの時尿浸透圧に差はみられなかった。SHRラットの尿中エクソソームAQP1タンパク質排泄量は、全ての週齢においてWKYラットと比較して有意な違いはみとめられなかった。また、尿中エクソソームAQP2タンパク質排泄量についてもWKYラットとSHRラットとの間に有意な差は認められなかった。 以上の結果から腎機能に影響しないレベルでの血圧上昇は、尿中エクソソームAQP1およびAQP2タンパク質排泄量に影響を与えないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)