2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘッジホッグ経路を標的とした猫乳癌幹細胞標的治療薬の探索とその臨床応用
Project/Area Number |
24780314
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
道下 正貴 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50434147)
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Keywords | 癌幹細胞 / 猫 / 乳腺腫瘍 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
癌幹細胞は自己複製能、分化能、免疫不全マウスにおける高い腫瘍形成能を示す細胞集団であり、癌の発症だけでなく、癌の進展、再発、転移に重要な役割を果たしている。また、癌幹細胞は化学療法や放射線療法に抵抗性を示すため、癌幹細胞標的療法の開発が必要不可欠である。本研究は臨床挙動が悪く、効果的な治療法が確立していない猫乳癌を対象とし、癌の根源である乳癌幹細胞を標的とした新規治療法の開発を目的とする。癌幹細胞の自己複製能に関与するシグナルは数多く報告されており、本研究ではヘッジホッグ(Hh)シグナルを標的とし、in vitroにおける癌幹細胞増殖に及ぼすHh阻害剤の抗腫瘍効果、in vivoにおける猫乳癌モデルマウスに対する抗腫瘍効果などを検討した。 平成24年度は、癌幹細胞の濃縮し、さらに自己複製能を評価できるsphere assayを用いて猫乳癌細胞株に含有する乳癌幹細胞の自己複製能を阻害するHh阻害剤を抽出した。 平成25年度は、平成24年度のin vitroスクリーニングで良好な成績が得られたGDC0449に着目し、猫乳癌モデルマウスにおける抗腫瘍効果を検討した。2つの猫乳癌細胞株を超免疫不全マウスの皮下に移植し作製されたモデルマウスを使用した。両株ともにGDC0449単独投与群は無処置群に比べて腫瘍容積が減少し、抗腫瘍効果が認められた。これらの結果から、GDC0449は獣医医療への有用性が期待できる。
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