2013 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品及び環境化学物質のアレルギー発症における代謝活性化の関与とその構造的要因
Project/Area Number |
24790126
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
浦丸 直人 日本薬科大学, 薬学部, 講師 (90424069)
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Keywords | 薬物アレルギー / 環境化学物質 / 代謝的活性化 |
Research Abstract |
医薬品を始めとする化学物質(環境化学物質を含む)を起因とする薬物アレルギーが問題となっている。これまでに重篤な副作用を発症するアンチピリンの抗原化機構に代謝活性化が関与することを明らかにした。しかしながら薬物アレルギー発現における明確なる化学物質の構造的要因を明らかにするには至っていない。本課題は薬物アレルギー発症における化学物質の代謝活性化の関与、化学構造的要因を明らかにすることを目的とした。 薬物アレルギー症状に重要な部位として皮膚が挙げられる。香粧品は特性上、直接、皮膚に使用するため、アレルギー性接触皮膚炎などのアレルギー症状が懸念されている。香粧品中の保存料であるパラベン類、紫外線吸収剤として使用されるベンゾフェノン類に焦点をあて研究を展開した。まず代謝活性化の影響を検討する上で重要なパラベン類及びベンゾフェノン類の代謝反応について検討した。パラベン類を各組織のラットミクロソームにて検討を行い、種々のパラベン類により加水分解活性が変動することを報告した。またベンゾフェノン類をラット肝ミクロソームにて検討した結果、種々の新規代謝物を同定し報告した。さらにパラベン類のアレルギー反応及びその化学構造的要因を検討した。種々のパラベン類のラット肥満細胞を用いたヒスタミン遊離試験において、種々のパラベン類によりヒスタミン遊離活性が変動すること、また代謝物であるパラヒドロキシ安息香酸にはヒスタミン遊離作用が認められなかった。またモルモットにおける皮膚感作性試験においては、種々のパラベン類において抗原性が認められたのに対して、代謝物であるパラヒドロキシ安息香酸には抗原性が認めらなかった。これらの報告から、パラベン類のラット肥満細胞からのヒスタミン遊離活性変動には化学構造的要因が関与することが示唆された。
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