2013 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーにおけるクロライドイオンの新規制御機構の解明とがん治療への応用
Project/Area Number |
24790220
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
細木 誠之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30433254)
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Keywords | autophagy / chloride ion |
Research Abstract |
MEF を用いた検討では、初代培養のMEFを用いて細胞内のリソソームのpHをlysosensor を用い定量的に測定した。MEFのリソソームのpHは5.24±0.11であった。低クロライド培地を作成し、同培地下にて培養することでリソソームのpH は6.25±0.06と有意に上昇した。またリソソームのpHの制御に細胞内クロライドの重要性が明らかとなった。 癌細胞株を用いた検討では胃癌細胞株(MKN28)、肺癌細胞株(A549)を用いて細胞内のリソソームのpHを測定した。いずれのリソソームのpHもMKN28では3.85±0.04、A549 では3.26±0.14とMEFより酸性であり、低クロライド培地にて培養することでリソソームのpH はMKN28では4.68±0.08、A549 では4.10±0.14有意に上昇した。これらの結果より癌細胞においてもリソソームのpHの制御に細胞内クロライドの重要性が明らかとなった。Serum starvation によりリソソームpHに及ぼす影響を検討したところ、リソソーム内のpHは若干低下傾向を認めたが有意な低下は認められなかった。また細胞内クロライドイオン濃度にもSerum starvation による差は認められなかった。 オートファジーの障害を評価するため、LC3、p62の発現を確認したところ低クロライド培地下の培養にていずれも細胞内に増加することを免疫染色、及びウエスタンブロットにて確認し、またlow Cl medium下にserum starvation を行ったところ、いずれのタンパクの増加を認めた。 このようにいずれの細胞においてもリソソームのpH 制御にクロライドイオンが重要であり、クロライドの低下にてリソソームのpHがアルカリ側にシフトされることが明らかになった。またリソソームの機能低下によるオートファジー障害が引き起こされた。
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Research Products
(2 results)