2012 Fiscal Year Research-status Report
血管は神経の働きかけにどう応答するか?血管形成におけるJunBの新しい役割の解明
Project/Area Number |
24790297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
吉冨 泰央 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80399039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管新生 / 血管ネットワーク形成 / 神経ー血管相互作用 / JunB |
Research Abstract |
体の隅々まで張り巡らされた血管ネットワークはほとんどの場所で末梢神経と並走した形で形成されている。血管ネットワーク形成の過程には血管内皮細胞と神経との相互作用が存在することが示唆されているがその詳細な仕組みは未だに明らかにされていない。本研究は神経―血管相互作用により血管内皮細胞内に特に強く発現誘導された転写因子JunBの血管ワイヤリングにおける機能を明らかにすることを目的としている。 (1)本年度はまず、血管ネットワーク形成の各過程におけるJunBの発現部位、発現パターンを明らかにするため、マウス胎児の皮下に形成される血管ネットワークに注目して、神経、血管の各発生段階について血管、神経それぞれのマーカー分子およびJunBの発現をマウス胎児の前肢皮膚組織を用いたwhole mount免疫染色によって解析した。その結果、E13.5のマウス皮下に形成された原始血管叢がE17.5までの成熟した血管網へと分化していく過程で特有な血管内皮細胞に特に強くJunBを発現していることが明らかとなった。また、JunBプロモーターのNanoLucレポーターを組み込んだレンチウイルスを作成した。これを用いて今後in vitroおよびin vivoでのJunB発現の経時的発現を解析する。 (2)血管内皮細胞でのJunBの機能を明らかにするため、ヒト血管内皮初代培養細胞HMVECおよびその株細胞TIME cellsでJunBを過剰発現/発現抑制し、そのときの細胞機能を解析した。 (3)In vitroでの血管新生解析ではより実際の生体内に近い形で血管新生能を定量化するためヒト毛細血管の初代培養細胞HMVECおよびその株細胞TIME cellsを用いて3D Collagen Angiogenesis Assayを行ない、共焦点顕微鏡を用いて3次元的な血管新生能をうまく定量化する方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3D collagenを用いた血管新生の解析系の作成が予定通り進み、うまく解析できるシステムを確立することが出来た。研究開始時点ですでにJunB強制発現、発現抑制shRNAベクターが準備できていたため予定通りの研究を展開できている。今後は既存の遺伝子改変マウスを入手しそれらを組み合わせた実験系を使用する予定であるので早めに準備する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
神経との相互作用で血管内皮細胞に誘導されたJunBが血管ネットワーク形成にどのような役割を持つのかを明らかにする。神経と並走している血管の大部分が動脈である事実から、次年度は静脈/動脈分化におけるJunBの役割を明らかにする研究を進める。具体的には、血管内皮細胞に強制的に動脈分化を誘導した時に内在性のJunBの発現がどのような影響を受けるのかを明らかにする。またVEGF-Notch系のシグナル伝達におけるJunBの役割を解析する。Notch活性レポーター(Rbp-J)を用いて神経細胞との相互作用によるJunBを介した動脈分化について検討する。 JunBの生体内での血管ネットワーク形成における役割を明らかにするためマウス個体を用いた実験系に発展させる。既存で入手可能なJunB CKOマウス(理化学研究所より)、Tie2-Creマウスを掛け合わせ血管内皮細胞で特異的にJunB発現を欠損したマウスを作成する。また、それと並行してJunB発現抑制用レンチウイルスをマウス胎児の特定の発生時期に前肢皮下に子宮内導入し血管ネットワーク形成におけるJunBの役割をin vivoで解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)