2014 Fiscal Year Research-status Report
血管は神経の働きかけにどう応答するか?血管形成におけるJunBの新しい役割の解明
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24790297
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
吉冨 泰央 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80399039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管新生 / 神経-血管相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の血管は体の多くの部分で神経と並走しており、血管ネットワーク形成における神経ー血管相互作用の重要性が指摘されてきている。最近、神経細胞と血管内皮細胞の相互作用に関する報告が幾つかなされているが、いまだ、神経ー血管相互作用によってどの様な遺伝子が血管内皮細胞内で活性化され、その結果として血管のリモデリングが行われていくのかということはまだわかっていない。本研究は神経ー血管相互作用により血管で活性化される遺伝子に着目して血管ネットワーク形成のメカニズムを明らかにすることを目的にしている。 24年度には神経細胞と血管内皮細胞の共培養下で血管内皮細胞内に活性化される特徴的な遺伝子群を同定した。 25年度には注目した遺伝子の血管内皮細胞におけるin vivoでの機能を中心に解析し、JunBが血管新生先端の特有な細胞で強く発現していること、3Dコラーゲンゲルへの血管新生にJunBが促進的に作用することを明らかにした。 26年度はJunBの血管内皮細胞における下流パスウェイを探索するとともに既知の分子との関連性について調べた。さらにマウスを用いてJunBのin vivoでの血管新生能(ネットワーク形成等)に焦点を当てて解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で計画していたレンチウイルスを用いたin utero injection法で、注入部位全てがレンチウイルスに感染するようなパターンを実験計画段階で想定していたが、実験を行った結果、実際には、感染細胞が発生の段階に従ってmigrationしていき、一箇所に集まったようなパターンを示さないことが明らかとなった。そのため、少し実験方法の変更が必要となった。新たな実験方法に必要なin vivo解析系を構築するのに時間を要したが、現在その準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに導入したレポーターマウスを用いて血管ネットワークを容易に判別できるようにし、さらに、血管内皮細胞のみでshRNAを働かせたり、あるいは働かない様にする系を利用する。27年度にはこのマウス解析系を用いて、これまでにin vitroで明らかにした血管新生におけるJunBの機能をin vivoで確認する。得られたデータをもとに、血管ネットワーク形成能の違い、神経と血管の並走の程度を定量化する方法を構築し、当該遺伝子の機能を明らかにする。
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Research Products
(2 results)