2013 Fiscal Year Research-status Report
個体内での血管新生・再生におけるβカテニンの機能解析
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24790304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 健太 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (20616073)
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Keywords | 血管新生 / ベータカテニン / 次世代シークエンサー |
Research Abstract |
平成24年度の計画である【目的1】血管新生におけるβカテニンの転写活性変化を明らかにする、に対して、1)βカテニン転写活性を 血管内皮特異的にモニターするためのゼブラフィッシュを作製した。2)上記のゼブラフィッシュを用いて、発生時におけるGFP蛍光強度(ベータカテニン転写能)を解析した。この結果より、血管新生時において、ゼブラフィッシュの尾部静脈叢に強いGFPの蛍光を検出した。そこで、尾部静脈叢形成におけるベータカテニン転写活性の生理学的意義を解析した。 平成25年度以降の計画である【目的2】βカテニンの亢進・抑制が、血管新生に与える影響をレポーターを発現したゼブラフィッシュを用いて明らかにする、に対して、βカテニンの転写活性抑制が尾部静脈叢形成に与える影響を検討した。その結果、βカテニンの転写活性は、正常な尾部静脈叢形成に必須であることが明らかとなった。 更に、【目的3】βカテニンの亢進・抑制が、遺伝子発現プロファイルに与える影響を明らかにする、に対して、上記のベータカテニンが活性化している血管内皮細胞を、GFPをマーカーとしてセルソーターを用いて回収し、次世代シークエンサーにて血管の部位特異的に発現亢進しているmRNAを解析した。その結果より、AGGF1、Nr2f2がGFP陽性細胞に強く発現していることを見出した。現在、これら転写産物とβカテニン転写能についての関連性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した、目的1-3に対して、ほぼ達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo(ゼブラフィッシュ内において)観察された結果を、培養細胞を用いて再構築することを目指している。この検討により、in vivoにおいてどの因子が重要であるかを特定することを目指している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験経過において、より詳細に解析を行うために、今年度中に行う予定であった実験を、数カ月遅らせたため。 Zebrafishの維持管理と次世代シークエンサーを用いた解析目的に、研究費を使用する。ほぼすべて消耗品・試薬類である。
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