2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790319
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西尾 美希 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10467897)
|
Keywords | 発癌 / Mob1 / シグナル伝達 / 発生 |
Research Abstract |
Hippo経路は器官のサイズを規程する経路として、ストレス応答を制御する経路として、またがん抑制経路として注目されつつある。 本研究ではHippo経路の主要構成因子のひとつであり、ヒト腫瘍において高頻度に異常が報告されているMob1A/Mob1B遺伝子に注目し、Mob1A/1Bの個体発生・分化制御機構やその異常による病態の有無を解明するため、全身性にMob1A/1B欠損するマウスを作製・解析した。Mob1A/1Bダブルホモ欠損マウスは着床直後に胎生致死となることからMob1A/1Bが個体発生に重要であること、Mob1A/1B部分欠損マウスでは、全例に様々な腫瘍形成を認めることから、Mob1A/1Bががん抑制遺伝子であることを報告した。Mob1A/1B部分欠損マウスでは皮膚外毛根鞘がんを全例発症したことから、ケラチノサイト特異的Mob1A/1Bダブルホモ欠損マウスを作製した。Mob1A/1Bダブルホモ欠損ケラチノサイトでは、細胞増殖亢進、細胞死抵抗性、コンタクトインヒビション障害、細胞分裂異常、未分化性の亢進を認め、これらの変化ががん発症の一因であることを示唆した。さらにヒト皮膚外毛根鞘がんサンプルにおいてHippo経路分子の発現を検討し、Mob1を含むHippo経路分子がヒト皮膚外毛根鞘がんの原因遺伝子であることを示した。次に他のHippo経路分子変異マウスにおいて肝がんの報告があること、またMob1A/1B部分欠損マウスを長期観察すると肝がんを発症することから、肝・胆管細胞特異的Mob1A/1Bダブルホモ欠損マウスを作製した。肝臓においてMob1A/1B欠損を欠損すると著しい胆管の増生を認め、離乳期までの生存率は1/3であった。また生存した1/3のマウスでは高頻度に胆管がん・肝がんを発症することから、肝臓においても正常な器官形成や腫瘍抑制にMob1A/1Bが重要な役割を担っていることを見出しつつある。これらから、Hippo経路は皮膚外毛根鞘がんを含む種々のがん抑制戦略の重要な標的となることが期待される。
|
-
[Journal Article] The expression of PTEN in the development of mouse cochlear lateral wall.2014
Author(s)
Dong Y, Sui L, Yamaguchi F, Kamitori K, Hirata Y, Hossain MA, Noguchi C, Katagi A, Nishio M, Suzuki A, Tokuda M.
-
Journal Title
NEURO SCIENCE
Volume: 258
Pages: 263-9
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Functions of the Mob1A/1B in mice
Author(s)
Miki Nishio, Jia Wang, Takumi Morikawa, Kohei Otsubo, Yoko Toh, Hiroki Hikasa, Satoshi Itami, Keishu Sugimachi, Koshi Mimori, Akira Suzuki
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Invited
-
-
-
-
-