2012 Fiscal Year Research-status Report
腎癌の癌化、増殖、浸潤におけるグリシンエヌメチルトランスフェラーゼの重要な役割
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24790351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宋 裕賢 九州大学, 大学病院, 助教 (10586746)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GNMT |
Research Abstract |
腎癌におけるGNMTのタンパク発現を調査するために、まずは、細胞株を用いた実験を施行した。良性腎細胞として、HEK293(ヒト胎児腎細胞由来)、腎癌細胞として、KG-2(淡明腎細胞癌由来)、Caki-1(淡明腎細胞癌由来)、ACHN(腎臓腺癌由来)細胞株、SKR1 (多型細胞型腎癌由来)、KPK1(腎細胞癌由来)、KPK13(腎細胞癌由来)NKK1(淡明腎細胞癌由来)を用いて、ウエスタンブロット法を施行した。抗GNMT 抗体(sc-68871, rabbit polyclonal, Santa Cruz Biotechnology, CA, USA)を用いた。タンパク濃度はProtein Assay Kitを用いてBradford’s methodに基づいて決定した。Whole-cell extractsはSDS PAGEによって分離した。正常腎細胞株、および各種腎癌細胞株にタンパク発現を認めた。 次に、GNMTの細胞増殖について調査するために、細胞株へのsiRNA導入実験を行い、細胞増殖能を調べた。正常腎細胞株であるHEK293、GNMTタンパクが弱く発現していた腎癌細胞株ACHN、強く発現していた腎癌細胞株SKR1を用いた。各細胞株にsiRNAを用いて、GNMTをノックダウンさせ、コントロールと比較した。細胞を培養し、セルカウンター(Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)を用いて計測した。GNMTをノックダウンしたところ、各細胞株の増殖は抑制された。正常腎細胞株HEK293やGNMTが弱く発現していた腎癌細胞株ACHNに比べ、GNMTタンパクが強く発現していた腎癌細胞株SKR1の細胞増殖はより強く抑制された。腎癌細胞株の特性によっては、GNMTが細胞増殖に強く関連していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は正常腎細胞株および腎癌細胞株を用いたタンパク発現解析やsiRNA導入実験が施行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の実験を追加し、腎癌の細胞周期や悪性度とGNMTとの関連について調査する。 フローサイトメトリー:腎癌における細胞周期とGNMTとの関連を調べるために、以前我々が行った方法でフローサイトメトリーを施行する。各細胞株にsiRNAを用いて、GNMTをノックダウンさせ、コントロールと比較する。 免疫組織化学染色法:抗GNMT抗体を用いて、ホルマリン固定パラフィン包埋標本で免疫組織化学染色法にて、タンパクの発現を解析する。免疫組織化学染色法はstreptavidin–biotin–peroxidase法にて施行する。ホルマリン固定パラフィン包埋切片は、キシレンを用いて脱パラフィン化され、内因性ペルオキシダーゼのブロッキング後、賦活化を行った(マイクロウェーブ20分間)。一次抗体を一晩インキュベートし、二次抗体を20分間インキュベートする。DABにより発色させ、ヘマトキシリンにて対比染色する。GNMTの評価方法として、細胞膜、細胞質、核における発現を正常腎組織及び腎癌組織において評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フローサイトメトリーや免疫組織化学染色法を施行する際に必要な物品や研究結果の解析ソフトの購入、研究成果発表のための学会参加旅費などに使用する。
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Research Products
(4 results)