2013 Fiscal Year Research-status Report
腎癌の癌化、増殖、浸潤におけるグリシンエヌメチルトランスフェラーゼの重要な役割
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24790351
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宋 裕賢 九州大学, 大学病院, 助教 (10586746)
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Keywords | GNMT |
Research Abstract |
平成24年度に腎癌細胞株におけるGNMTのタンパク発現、および、細胞増殖能とGNMTとの関係性を調べ、腎癌において、GNMTが発現していること、および、GNMTが細胞増殖に関連していることを解明することができた。平成25年度は、手術によって得られた腎癌の組織におけるGNMTの発現、および、腎癌細胞株におけるGNMTと細胞周期との関連を調べた。 まずは、手術によって得られた腎癌摘出標本を用いて、免疫組織化学染色法を施行した。ホルマリン固定パラフィン包埋標本におけるGNMTのタンパクの発現を解析した。評価方法として、細胞膜、細胞質、核における発現を正常腎組織及び腎癌組織において評価した。全例において正常腎皮質の細胞質に発現を認め、3例において腎癌細胞の細胞質、および、核の一部にGNMT発現を認めた。 細胞周期を調べるためにフローサイトメトリー法を用いた。正常腎細胞株であるHEK293、GNMTタンパクが弱く発現していた腎癌細胞株ACHN、強く発現していた腎癌細胞株SKR1を用いた。各細胞株にsiRNAを用いて、GNMTをノックダウンさせ、コントロールと比較した。HEK293、ACHNにおいてsub G1の増加は軽度であるので対して、SKR1においてはsub G1が著明に増加していた。GNMTのノックダウンにより、sub G1が誘導された。以上よりGNMTと細胞周期、特にsub G1期との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は腎癌摘出標本におけるタンパク発現を解析し、また、細胞株における細胞周期の解析も可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
subG1期はアポトーシスと関連していることがすでに分かっている。現在までの我々の結果を検討するとGNMTがアポトーシスを抑制している可能性がある。GNMTとアポトーシスの関連を調査するために、アポトーシスの指標となるcleaved PARPのタンパク発現などについて検討する予定である。 対象としては次の細胞株を用いる。良性腎細胞として、HEK293(ヒト胎児腎細胞由来)。腎癌細胞株として、ACHN(腎臓腺癌由来)細胞株、SKR1 (多型細胞型腎癌由来)。また、抗cleaved-PARP 抗体(Anti-PARP p85 Fragment pAb, G7341, rabbit polyclonal)はPromega (Madison, WI, USA)から購入したものを用いる。 また、研究成果について、国内、国際学会での発表、および、論文発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に繰り越した実験などが存在する。 また、情報収集や研究発表のための学会参加が少なかったため。 追加実験などを施行し、また、研究発表のための学会に参加、論文作成のための費用などに使用する。
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[Journal Article] Interaction between docetaxel resistance and castration resistance in prostate cancer: Implications of Twist1, YB-1, and androgen receptor2013
Author(s)
Shiota M, Kashiwagi E, Yokomizo A, Takeuchi A, Dejima T, Song Y, Tatsugami K, Inokuchi J, Uchiumi T, Naito S
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Journal Title
Prostate
Volume: 73
Pages: 1336-44
DOI
Peer Reviewed
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