2012 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍特異的エクソゾーム含有蛋白質を用いた新規バイオマーカーの探索
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24790360
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
長塩 亮 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (40618568)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | エクソゾーム / ランダム免疫法 / 単クローン性抗体 / 自己抗体 / プロテオミクス |
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| Research Abstract |
肺癌細胞株の培養上清中に含まれるエクソゾーム含有蛋白質を対象とした肺癌患者血清中の自己抗体の解析、並びにエクソゾーム濃縮試料を免疫源に用いた単クローン性抗体の作製を試みた。始めに肺腺癌由来のA549細胞でエクソゾーム濃縮法を評価した。A549細胞は無血清培地で培養し、培養上清を回収した。分子量10万までをカットするフィルターで限外濾過し培地由来のトランスフェリンの混入を軽減させ、濃縮した。その後、20万×gで2時間以上遠心し、エクソゾームの沈殿物を回収した。エクソゾーム濃縮試料は、各種エクソゾームマーカー（CD9,CD63,CD81,HSP70）により濃縮の程度を免疫ブロット法で確認した。結果、濃縮前の培養上清と超遠心後の上清では反応性を認めないが、エクソゾーム濃縮試料では各種エクソゾームマーカーの反応性が確認された。培養上清中のエクソゾームは抗CD81抗体を用いたELISAキットの結果、約8.47×107個/mlで存在していた。肺癌患者血清中の自己抗体の検出はエクソゾーム濃縮試料を対象に肺腺癌患者血清を一次抗体に用いた二次元免疫ブロット法を行った。複数の抗原スポットで反応性を認めたが、それらの抗原を同定したところ、大部分が培地由来のトランスフェリンの分解物であり、有用な分子ではなかった。一方、エクソゾーム濃縮試料に対するを免疫源に用いたランダム免疫法により単クローン性抗体を網羅的に作製した。免疫マウスの尾静脈より採血し、ELISA法並びに免疫染色法により抗体価のチェックを行った。ELISA法ではコントロールに比べ免疫マウスはエクソゾーム濃縮試料に高い反応性を示した。免疫染色によるスクリーニングではA549細胞の細胞質や細胞膜、核膜など様々な染色性を示す抗体が検出されている。次年度はこれらの抗体の診断マーカーとしての有用性を評価する。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養上清中からのエクソゾームを濃縮し、各種エクソゾームマーカーを用いた濃縮の程度の確認をELISA法、並びに免疫ブロット法にて行った。濃縮を確認したエクソゾーム濃縮試料についてはタンパク質を抽出し、肺腺癌患者血清を一次抗体に用いた自己抗体の探索、並びにエクソゾーム濃縮試料を免疫源に用いたランダム免疫法により単クローン性抗体の作製を行った。始めのエクソゾーム濃縮試料の調整に少し時間がかかったが概ね実験計画通りに進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
自己抗体に関しては有用なマーカー候補が現在まだ検出されていないため、今年度はエクソゾーム濃縮試料を免疫源として作製した単クローン性抗体に焦点をあてる。まずは作製した単クローン性抗体について少数検体の肺癌の組織を用いた免疫染色による組織診断マーカーとしての有用性の評価や少数検体の肺癌患者血清を用いたドットブロット法による血清診断マーカーとしての有用性の評価を行う。
少数検体を用いたスクリーニングにより有用と思われる抗体については多検体を用いた各種マーカーとしての妥当性を検証する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の大半は研究用消耗品に当てる。消耗品としてエクソゾーム抽出用キット、抗体作製に関する試薬や自己抗体検出用の試薬、免疫染色用試薬、二次元電気泳動関連の消耗品、免疫沈降キット、質量分析器関連の消耗品及びプラスチック製品の購入が必要となる。また今年度からはドットブロット解析のための試薬を購入する。また情報交換や学会で研究成果を公表するために必要な出張経費が含まれる。
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