2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790489
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今西 貴之 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (10513442)
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Keywords | Th2 / Th1 / TLR / 共刺激 / サイトカイン |
Research Abstract |
T細胞が核酸を認識し、T細胞の活性化を増強することを示してきたが、その生理的意義に関しては不明なままであった。そこで本研究ではその生理的意義に関して検討した。 ナイーブCD4陽性細胞は活性化すると体内に侵入した病原体や抗原の種類に応じて適切なヘルパーT細胞に機能分化することが知られている。そこで核酸刺激がヘルパーT細胞の分化に及ぼす影響を調べたところ、核酸刺激によりTh2細胞への分化が誘導されることが明らかになった。生体内において核酸の供給源は死細胞であると考えられているため、ナイーブT細胞を死細胞存在下で活性化したところ、Th2細胞への分化が促進することが認められた。DNA分解酵素の添加により死細胞によるTh2細胞への分化が抑制されることから死細胞由来のDNAがTh2細胞の分化を誘導していることが示唆された。 これまでTh2細胞への分化にはIL-4が重要な役割を果たしていることが知られているが、核酸によるTh2細胞への分化もIL-4受容体欠損マウス由来のT細胞ではほとんど認められなかったことから、核酸によるTh2細胞への分化もIL-4依存的であることが分かった。実際、TCR刺激による初期のIL-4産生が核酸刺激により増強し、逆にTh1サイトカインのIFN-gの産生が減少することを見出した。 次に核酸刺激による初期のIL-4産生の分子機構を調べた結果、IL-4の発現が上昇する前にTh2関連遺伝子の発現を抑制する転写因子T-betの発現が著明に減少し、その後にIL-4やGATA-3などのTh2関連遺伝子の発現が誘導されることが明らかになった。 以上のことから核酸に刺激されたT細胞はT-betの発現抑制を介して、IL-4の産生を誘導し、自己分泌したIL-4によりGATA-3とTh2サイトカインの発現がさらに増強し、Th2細胞への分化が確立することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Nucleic acid sensing by T cells initiates Th2 cell differentiation2014
Author(s)
Takayuki Imanishi, Chitose Ishihara, Mohamed El Sherif Gadelhaq Badr, Akiko Hashimoto-Tane, Yayoi Kimura, Taro Kawai, Osamu Takeuchi, Ken J. Ishii, Shun’ichiro Taniguchi, Tetsuo Noda, Hisashi Hirano, Frank Brombacher, Glen N. Barber, Shizuo Akira & Takashi Saito
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 5
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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