2013 Fiscal Year Research-status Report
リフレクションによる模擬患者養成プログラムに関する研究
Project/Area Number |
24790500
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高橋 洋一 鳥取大学, 医学部, 助教 (40594271)
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Keywords | 模擬患者(SP) / 医療コミュニケーション / リフレクション / SP養成プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、医療面接教育の充実に向けて全国の大学医学部・医科大学において導入が進められている模擬患者(Simulated Patient; SP)について、SPが患者役としての自らを評価することを通じて、その習熟を支援しうるSPの養成プロフラムを開発・提案することである。本研究ではSPの自己評価の方法として、自らが参加した医療面接の映像記録を振り返ることを軸とした「リフレクション」を採用することで、SP養成プログラムにおける実施にかかる課題やその効果について検討する。 本研究二年目となる平成25年度は、前年度に実施したリフレクションについての文献やフィールドワークといった先行研究の調査や、SPと医学生による模擬医療面接のビデオカメラによる映像記録の収集を土台として、実際にSP参加型実習にリフレクションを導入することによる学習効果や実施・運営する上での課題について、以下明らかにした。(1)リフレクションの学習方略としての効果をより明確にするため、医学生による自らの映像記録の振り返りがどのような学習につながっているのか、SPとの面接実習の事後レポートの記述から分析した。(2)SP参加型医療面接実習における医学生の医療面接技法の客観的な評価方法に比べ、リフレクションの主眼となる自己評価の方略については十分な標準化が進められていない。そこで社会学の会話分析を援用して模擬医療面接での医学生とSPのやり取りを詳細に分析することで、実習での自己評価(リフレクション)において重要となる評価項目について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も継続して学内での模擬患者の養成を行うことと平行して、本研究の主題であるリフレクションの学習方略について、学生の映像記録の振り返りからその効果について検証し、また会話分析による医学生と模擬患者の相互行為を分析することで、リフレクション(自己評価)を行うために必要となる評価項目について検討することができた。そのため、本研究の現在までの達成度として、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、学内での模擬患者養成と授業への導入を継続して行うことと平行して、これまでにストックを進めてきた模擬医療面接の映像記録について模擬患者が自己評価を行う機会を積極的に設ける。これにより、リフレクションにおける模擬患者の患者役としての習熟プロセスを記述するとともに、その成果を養成プログラムとしてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由として、本年度に予定していた国外でのSP養成プログラムの現地調査の実施、ならびに医療面接の映像記録の編集にかかる機器や関連ソフトの購入を、次年度以降の予定に変更したことが挙げられる。 次年度使用額は、SP養成プログラムの国内外での現地調査にかかる旅費や、これまでにストックしてきた映像記録データを編集するための機器や関連ソフトの購入、またデータや資料整理の補助にかかる謝金に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)