2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24790525
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
林田 賢史 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80363050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療の質 / 電子レセプトデータ / 評価指標 / 個人情報保護 / 情報セキュリティマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、"容易に分析可能なデータベース基盤を電子レセプトデータを用いて構築し、その基盤において、医療の質の指標化と改善を実施すること"を目的とした研究である。 最終年度である当該年度は、前年度までの研究成果を活かして、データベース基盤をさらに強化するとともに、医療の質に関する有用な評価指標の作成を実施した。これにより、複雑な構造であるものの有望な質評価の情報源である電子レセプトデータによるデータベース基盤の構築と、その基盤を活用した医療の質(診療・経営の質)の指標化と改善を実施することが出来た。 研究期間全体を通しての具体的な成果としては、「個人情報保護を満たす(匿名化)データ収集ツールの開発」「複雑な構造である電子レセプトデータを分析可能なデータベースに変換する方法論・ツールの開発」「既存の指標と新たな臨床指標の妥当性・信頼性・実現可能性についての検討を踏まえた上での医療の質評価指標の開発」「医療機関から収集した電子レセプトデータを用いた医療の質評価指標の作成」があげられる。 質評価の指標の一例としては、患者数(入院・外来)、受診日数、診療報酬(1日単価等)、転帰等の基本項目とともに、糖尿病患者に対する血液検査(血糖、HbA1c)の実施状況、手術患者に対する肺血栓塞栓症の予防対策実施状況等の診療行為(臨床指標)に関する指標等を作成した。 本研究により、電子レセプトデータを用いた医療の質向上のための基盤構築が可能となった。これは、医療機関による継続的な医療の質の評価と改善につながるため、医療の標準化や均てん化、医療の質と安全性・効率性の向上の一助になったと考えられる。
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