2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の生活習慣の変化が認知機能および海馬萎縮に及ぼす影響
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24790607
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柿崎 真沙子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20580872)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 老化 |
Research Abstract |
2002年、2003年に公衆衛生学分野で実施した、鶴ヶ谷寝たきり予防健診を受診した1445名のうち、2011年12月までに死亡・異動が判明した者、施設入居者を除外した1,014名に対し、2012年9月にアンケート票および希望票を配布した。アンケート票および希望票を配布した1014名のうち、798名からアンケート票および希望票の返却があった。この返却者798名のうち、449名からMRI検査の希望があった。MRI検査希望者449名より、脳卒中、頭部外傷、てんかん発作の既往歴のある者、EURO-QOL質問紙により、移動や身の回りの管理に制限があり、体の痛みを訴える者、代理回答である者、研究対象地区に居住していない者、軽度認知障害がある者を除外した311名から、ランダムに130名をMRI検査対象者として抽出した。このMRI検査対象者として抽出した130名に合否通知を送ったところ、死亡者、体調不良者、検査辞退者等が発生したため、2013年前半までに116名の検査を予定している。 MRI検査は、2012年12月より実施され、2013年3月末までに72名の対象者がこのMRI検査を受診した。これら、2013年3月末までにMRI検査を受診した、72名の受診者のデータは現在整理中である。2013年6月にMRI検査が終了した後、生活習慣の変化が脳の特定部位の形態変化(特に海馬の萎縮)に及ぼす影響は国内外を通じてほとんど検討されていない、睡眠習慣と海馬の萎縮に注目して、2013年後半にデータの解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、研究計画として提出した2012年度の研究実施予定では、2012年度前半にアンケート調査を実施し、2012年度後半からMRI検査を実施する予定であった。そのため、当初提出した研究実施計画では、2012年度約40名、2013年度約60名の検査を実施する予定となっていた。 2002年、2003年に公衆衛生学分野で実施した、鶴ヶ谷寝たきり予防健診を受診した1445名のうち、2011年12月までに死亡・異動が判明した者、施設入居者を除外した1,014名に対し、2012年9月にアンケート票および希望票を配布した。アンケート票および希望票を配布した1014名のうち、798名からアンケート票および希望票の返却があった。この返却者798名のうち、449名からMRI検査の希望があった。MRI検査希望者449名より、脳卒中、頭部外傷、てんかん発作の既往歴のある者、EURO-QOL質問紙により、移動や身の回りの管理に制限があり、体の痛みを訴える者、代理回答である者、研究対象地区に居住していない者、軽度認知障害がある者を除外した311名から、ランダムに130名をMRI検査対象者として抽出した。このMRI検査対象者として抽出した130名に合否通知を送付したところ、死亡者、体調不良者、検査辞退者等が発生したため、2013年前半までに116名の検査を予定している。 アンケート調査の実施は当初予定していた2012年度前半から2012年度後半に実施が遅れたものの、その後実施する予定であったMRI検査は順調に進んでおり、現在すでに72名の対象者が、MRI検査の受診を終了している。そのため、当初の研究計画では2013年度は約60名のMRI検査対象者に検査を実施予定だったが、2012年度のMRI検査が予想以上に進んだため、当初の予定と異なり、2013年度前半のMRI検査実施予定者は44名を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、引続きMRI検査対象者に対し、MRI検査を実施していく予定である。2012年度に決定した、検査対象であった130名のうち、死亡者、体調不良者、検査辞退者等を除外した、116名について2013年6月までにMRI検査を実施予定である。しかしながら、すでに2012年度(2013年3月末)までに72名の検査が終了しており、当初の研究計画とは異なり、2013年度のMRI検査対象者は44名を予定している。これら44名を含め、2年間で116名のMRI検査が、2013年6月に終了する予定である。 なお、2013年3月末までに検査を実施した72名のMRI検査データについては、現在整理中である。2013年6月以降、本年度検査を実施予定である44名分のMRI検査データについて整理を実施する予定である。データの整理が終了したのち、生活習慣のうち、特に睡眠習慣と海馬体積との関連について重点的に解析を行う予定である。脳MRIの画像解析には、すでに確立しているvoxel-based morphometry(VBM)の手法を用いる。具体的には、脳画像を全自動で標準座標空間上に解剖学的に標準化し、次いで灰白質、白質へ組織分画し、平滑化という処理を行う。この処理を行った画像を用いて、睡眠習慣と海馬体積との相関を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度も引続き、MRI検査の検査料、謝品、検査前後の送迎費用を中心に研究費を当てる予定である。MRI検査にかかる検査料は、1人あたり23,835円となっており、今年度は44名分、合計で1,048,740円の支出を予定している。 2012年度は、2012年度の検査対象者を100名と見積り、前倒し請求を実施したが、2012年度の検査対象者は72名となり未使用額が生じた。2013年度請求額と合わせ2013年度の研究遂行に使用する予定である。 また、MRI検査に伴って対象者にお渡ししている謝品については、2012年度分および2013年度分合わせての精算となるため、2012年度分72名、2013年度分44名、合計116名分について、一人あたり2,000円の謝品代、合計で232,000円の支出を予定している。 さらに、本研究は高齢者を対象として実施しているため、検査実施前は対象者の自宅からMRI検査会場まで、検査終了後についてはMRI検査会場から対象者の自宅まで、タクシーによる送迎を実施している。このタクシーの送迎にかかる費用については一往復あたり一定額7,000円の支出となっている。検査実施にあたっては、対象者数名をまとめて送迎を実施している。そのため、2013年度のタクシー送迎については16往復を予定しており、1往復7,000円であるため、112,000円の支出をタクシー代として計上予定である。 また、MRI検査の対象が高齢者であることから、万が一に備えレクリエーション保険にも加入し、対象者がMRI機器までの移動の間に転倒し、ケガ等があった場合に備えている。この保険には、今年度4月から6月までの3ヶ月間が対象となっており、1,750円の支出を予定している。 そのほか、検査の際に名前、生年月日、同意の記入に使用するコピー用紙、文房具、などの支出を計上する予定である。
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