2012 Fiscal Year Research-status Report
CNV測定原理を応用した法医試料における女性由来証明法の構築
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24790642
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中西 宏明 埼玉医科大学, 医学部, その他 (90392274)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 法医性別判定 |
Research Abstract |
DNA型判定用キットを用いた性別判定において、女性の判別は、Y染色体が検出されないことによる間接的なものである。X染色体のみが検出された場合、女性であるのか、或いは、鋳型DNAの分解などによりY染色体が検出されなかったかの判断が難しい場合がある。したがって、鋳型DNAの質や量によっては性別の誤判定を招く可能性があり、女性由来を積極的に判別できる手法が必要である。そこで、Copy Number Variation(CNV:遺伝子のコピー数の変異)を検出する手法を応用し、X染色体のコピー数解析による性別判定法の検討を行った。なお、本研究は埼玉医科大学の倫理委員会の承認(No.674)を得て実施した。 試料は、男女各20名の口腔内細胞を用いた。プライマーは、アメロゲニンをコードする領域のうち、CNVを含まず、X染色体のみに存在する配列をターゲットとして設計した。検出にはリアルタイムPCRを用い、RNase Pをコードする配列を対照としたΔΔCt法により染色体数を解析した。解析には、CopyCaller v2.0(ABI)を用いた。 濃度既知の市販DNAを用いて検査したところ、鋳型DNA量が0.1ngまで正確に判定可能であった。各試料から抽出したDNAの約1ngを鋳型量として検査したところ、男女各20名すべてで正確に判定できた。したがって、CNV検査法を用いて、X染色体数を検査することにより、女性を積極的に証明できる性別検査が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であるX染色体数の測定方法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
紫外線によりDNAを分解したサンプルや、市販のSTR型判定用キットではY染色体が検出されない男性のサンプル等、模擬鑑定試料や実際の鑑定試料について応用できるかを検討する。DNA分解サンプルについては、STR型判定用キットと検出限界(性別判定できるか否か)について比較をし、本法の有用性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
市販のSTR型判定用キットや、それに伴う試薬・物品に使用する。また、所属研究機関が変更になったため、必要な機材を購入する可能性がある。
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