2013 Fiscal Year Annual Research Report
CNV測定原理を応用した法医試料における女性由来証明法の構築
Project/Area Number |
24790642
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中西 宏明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90392274)
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Keywords | 法医性別判定 / X染色体 / CNV検査法 |
Research Abstract |
DNA型判定用キットを用いた性別判定において、女性の判別は、Y染色体が検出されないことによる間接的なものである。X染色体のみが検出された場合、女性であるのか、或いは、鋳型DNAの分解などによりY染色体が検出されなかったかの判断が難しい場合がある。 したがって、鋳型DNAの質や量によっては性別の誤判定を招く可能性があり、女性由来を積極的に判別できる手法が必要である。 そこで、Copy Number Variation(CNV:遺伝子のコピー数の変異)を検出する手法を応用し、X染色体のコピー数解析による性別判定法の検討を行った。なお、本研究は埼玉医科大学の倫理委員会の承認(No.674)を得て実施した。試料は、男女各20名の口腔内細胞を用いた。プライマーは、アメロゲニンをコードする領域のうち、CNVを含まず、X染色体のみに存在する配列をターゲットとして設計した。検出にはリアルタイムPCRを用い、RNase Pをコードする配列を対照としたΔΔCt法により染色体数を解析した。解析には、CopyCaller v2.0(ABI)を用いた。 濃度既知の市販DNAを用いて検査したところ、鋳型DNA量が0.1ngまで正確に判定可能であった。各試料から抽出したDNAの約1ngを鋳型量として検査したところ、男女各20名すべてで正確に判定できた。また、紫外線照射により人工的に断片化させたDNAを用いて検査したところ、市販のSTR判定用キットでは性別が判定できないほど分解したDNAでも、本法を用いることにより、正確に性別を判定することができた。したがって、CNV検査法を用いて、X染色体数を検査することにより、女性を積極的に証明できることが示唆された。
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