2012 Fiscal Year Research-status Report
心不全による代謝リモデリングとミトコンドリア機能の解析
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24790790
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
加藤 貴雄 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第2研究部, 研究員 (30583877)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 心不全 / ミトコンドリア機能 / 非侵襲的評価法 / 悪液質 / 骨格筋 |
Research Abstract |
心不全における心臓のおよび全身の代謝変化(代謝リモデリング)の分子基盤を明らかにし、心不全の新しい診断・治療法を開発することを目的とし研究を実施した。具体的には、【目的 1 】心不全の代謝治療の治療指針を得るため、99mTc-MIBIシンチグラムを使い、生体内で心臓のミトコンドリア機能を評価する方法を確立する。【目的 2 】異なる基礎疾患による心不全での代謝リモデリングを検討するため、高脂肪条件での心筋細胞のミトコンドリア機能を解析し、インスリン抵抗性を伴う心筋障害モデル動物の生体内でのミトコンドリア機能・遺伝子発現パターンと比較し、どういった薬剤(代謝修飾薬・抗炎症性薬剤など)による介入が効果的かを探る。もし候補が見つかった場合、インスリン抵抗性を伴う心筋障害モデル動物での効果を評価することであり、今年度は 99mTc-MIBIシンチグラムを使った、心臓ミトコンドリア機能を生体内でモニタリングする手法の動物モデルでの確立と心不全患者における99mTc-MIBIシンチグラムを用いた予後および心機能指標・運動耐容能指標との比較を行った。動物モデルにおいて、ミトコンドリア膜電位の脱分極を惹起した場合の、99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進が明らかになり、生体内での観察は摘出潅流心での検討と一致した。次に、心不全の入院患者で評価99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進と心不全重症度が相関する事、運動耐容能と相関することを見出した(AHA 2012,日本循環器病学会2013で発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H9c2心筋芽細胞を分化させ高脂肪酸(pamitate)下で培養しインスリン抵抗性を誘導し、ミトコンドリア機能を解析するとともに、酸化ストレス(過酸化水素刺激)や心肥大刺激に対して代謝調節薬(ジクロロアセテート・スタチン)や、抗炎症薬(infliximab)が効果を持つか検討する点については実行が遅れているが、心臓ミトコンドリア機能の非侵襲的評価法の開発と臨床データの収集・解析は進んでいる。 平成24年度は 99mTc-MIBIシンチグラムを使った、心臓ミトコンドリア機能を生体内でモニタリングする手法の動物モデルでの確立と心不全患者における99mTc-MIBIシンチグラムを用いた予後および心機能指標・運動耐容能指標との比較を行った。動物モデルにおいて、ミトコンドリア膜電位の脱分極を惹起した場合の、99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進が明らかになり、生体内での観察は摘出潅流心での検討と一致した。次に、心不全の入院患者で評価99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進と心不全重症度が相関する事、運動耐容能と相関することを見出した(AHA 2012,日本循環器病学会2013で発表)。 上記については、平成24年度中を目標にしており、おおむね順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリア評価システムは構築されたので、薬剤での応答などを細胞・動物レベルで実験を進めていく。異なる基礎疾患による心不全での代謝リモデリングを検討するため、高脂肪条件での心筋細胞のミトコンドリア機能を解析し、インスリン抵抗性を伴う心筋障害モデル動物の生体内でのミトコンドリア機能・遺伝子発現パターンと比較し、どういった薬剤(代謝修飾薬・抗炎症性薬剤など)による介入が効果的かを探る。もし候補が見つかった場合、インスリン抵抗性を伴う心筋障害モデル動物での効果を評価する。具体的には、H9c2心筋芽細胞を分化させ高脂肪酸(pamitate)下で培養しインスリン抵抗性を誘導し、ミトコンドリア機能を解析するとともに、酸化ストレス(過酸化水素刺激)や心肥大刺激に対して代謝調節薬(ジクロロアセテート・スタチン)や、抗炎症薬(infliximab)が効果を持つか検討する。高脂肪酸(pamitate 0.2mM)下の培養でインスリン抵抗性を誘導た心筋細胞種を用い、ミトコンドリア機能(遺伝子発現・蛋白発現)を解析するとともに、過酸化水素刺激による酸化ストレスを加え、糖代謝を賦活化する薬剤や脂肪酸代謝を抑制する薬剤を投与し、MTTアッセイによる細胞の生存率の検討、代謝変化(基質取り込み・調節蛋白の発現量)、ミトコンドリア機能(遺伝子発現・蛋白発現)を解析する。また、抗炎症薬(infliximab)の心筋細胞保護効果を、上記と同様に検討する。また、過酸化水素刺激以外に心肥大刺激に対する代謝介入・炎症介入の影響を検討する。動物実験として、インスリン抵抗性を伴う心筋障害(Zuckerラット)モデルでの心筋代謝リモデリングの解析とそれに対する薬剤的介入、および運動療法的介入の効果を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬品(放射性薬品含む)300,000円、ガラス器具 100,000円、プラスチック器具 300,000円、実験動物 300,000円, 論文別冊 100,000円、統計ソフト upgrade費用 23,000円、国内旅費 175,000円、国外旅費 450,000円、公開講座ポスター 50,000円 など、当初のH25年度計画に沿う。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Tc-99m Sestamibi washout is a useful method to assess cardiac mitochondrial function and the increased risk of a failing heart: A translational approach to understand the metabolic state of the heart.2012
Author(s)
T. Kato, T. Shioi, A. Kawamoto, T. Kimura, D. Nagakura, E. Nakane, S. Miyamoto, T. Izumi, T. Haruna, M. Inoko, R. Nohara
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Journal Title
Circulation
Volume: 126
Pages: A10905
Peer Reviewed
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