2012 Fiscal Year Research-status Report
非小細胞肺癌CTOSバンクを利用したEGRF-TKI効果予測と個別化治療
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24790829
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
綿貫 善太 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 特任研究員 (10626518)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肺癌 / EGFR-TKI |
Research Abstract |
我が国の肺癌死亡者数は年5万人を超え、化学療法抵抗性な難治性固形腫瘍の代表である。上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は、EGFR活性型遺伝子変異(EGFR変異)を有するNSCLCに著効を示すため、重要な分子標的薬である。しかしながら、EGFR変異を有するにもかかわらず25-30%の症例ではEGFR-TKIが奏効しない(自然耐性)ことや著効例においても獲得耐性を生じ再燃する(獲得耐性)ことが臨床上大きな問題となってきた。本研究では、最近確立したがん細胞球状培養法であるCTOS法を導入した肺CTOSバンクを作る。NSCLC(耐性症例)検体をin vitro、in vivoにおいて自在に培養することができる実験的評価解析系を確立することで、薬剤感受性/耐性予測を行うことで適切な薬剤/パスウェイ選択に情報を与え、肺癌克服向けた分子生物学的意義を解析する基盤を樹立する。今年度は、第1に肺癌検体を用いたCTOSの調整、及び NSCLC-CTOSバンクの作成を行った。扁平上皮癌と腺癌について、それぞれNOGマウスに異種移植し生着株を作成した。さらに、複数検体のCTOS作成を行った。第2にin vitro薬剤耐性感受性試験を行った。CTOSを用いた感受性試験の準備段階として、肺癌細胞株とEGFR発現K562株を用いて、①EGFR-TKI単独および、②EGFR-TKI+抗EGFR抗体の2種の試験を行った。その結果、①についてはEGFRの変異(野生型,Exon19del, L858R, T790M)と細胞殺傷効果がよく相関することが確認できた。一方、②については一部のEGFR-TKIを使用した場合に限り相乗効果が発揮されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りにCTOSを作成している。さらに、複数の分子標的薬を用いた薬剤感受性試験を行い、計画に沿って結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
CTOS作成数を増やし、バンク化を図る。薬剤感受性試験については、さらにc-Met阻害約等の使用を行う。本年度の結果をふまえ、次年度はCTOSをさらに増やし、計画通りに解析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度はCTOS蒐集に努めたため、繰り越しが発生したが、2年間の研究計画において特に問題はない。次年度は、当初計画通り試薬等の購入に充てる。特に薬剤耐性を解析するための試薬や遺伝子プロファイルをみるためのマイクロアレイ、タンパク質を解析するための抗体などを購入する。多数の資料整理等のために謝金を支出するほか、学会のための旅費および論文投稿費なども予定している。
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