2012 Fiscal Year Research-status Report
よりよいバセドウ病・バセドウ病眼症マウスモデルの作製
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24790948
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中原 麻美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 研究員 (90622605)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換、ドイツ |
Research Abstract |
[I] TSHR KOマウス脾細胞養子移入モデルにおける低用量アデノウイルスでの免疫を試み:TSHR KOマウス脾細胞養子移入モデルは、長期にわたる抗TSHR抗体産生を誘導する優れたモデルであるが、免疫反応が強すぎるためか刺激型抗TSHR抗体(TSAb)より阻害型抗体(TBAb)が優位になり易い。この問題を解決するため、低用量アデノウイルスを用いた免疫を試みた。10e10から10e7 particles/マウスまでの異なる量のウイルスで免疫後、養子移入を行い、抗TSHR受容体抗体をTSAb・TBAb・flow cytometry法・ELISA法で測定し、甲状腺ホルモンT4も測定した。その結果、低用量アデノウイルスでは、免疫後初期にはTSAb/TBAb比が高く、より刺激型抗体を産生し、ひいてはより高率に甲状腺機能亢進症を誘導できたが、長期間観察後には、いずれもウイルス量においても高率にTSAb/TBAb比が低下し、同様に甲状腺機能正常化或いは機能低下発症となった。よって低用量ウイルスにて、高頻度にバセドウ病は誘導できたが、より長期間持続モデル作成には至らなかった。 [II] 自然発症バセドウ病モデルの作製:理想的な疾患モデルはヒトでの発症と同様に自然発症型である。TSHR KOマウスがTSHR反応性T細胞を有していることは間違いないので、その活性を上げるため、京都大学坂口研で作成されたSKGマウスをTSHR KOマウスと交配して、TSHR KO;SKGマウスを作製している。さらにSKGマウスで異常があるZAP-70遺伝子を欠くZAP-70 KOマウスも入手し、TSHR KO; ZAP-70+/-マウスも作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[I] TSHR KOマウス脾細胞養子移入モデルにおける低用量アデノウイルスでの免疫を試み:容量の異なるウイルスによる免疫は順調に進み、十分なデータが得られた。低用量ウイルスで高頻度に疾患誘導できたが、残念ながら、長期間持続のモデルとはならなかった。今後はこの低用量ウイルスによる免疫法を養子免疫にお応用する予定である。 [II] 自然発症バセドウ病モデルの作製:実験のためのマウス交配は順調に進んでおり、もうすぐ実験に使える状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
[I] リンパ球数正常の野生型マウスへのTSHR KOマウス脾細胞養子移入:初年度に至適ウイルス量を決定できたので、TSHR KOマウスの低用量ウイルスによる免疫後の養子免疫事件を遂行する。 [II] 自然発症バセドウ病モデルの作製:上記のようにマウスの準備は順調に進んでいるので、数がそろい次第実験へ入る。 [III] 眼症モデルの確立ための他の抗原とTSHRを同時に発現するアデノウイルス作製及び眼症のモデル実験:予定していた新たなウイルスを作製し、免疫実験に供する予定である。 なお、研究計画の変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
[I] リンパ球数正常の野生型マウスへのTSHR KOマウス脾細胞養子移入:前年度に決定した至適ウイルス量でのTSHR KOマウスの免疫後、脾細胞を正常リンパ球数を有する野生型マウスへ養子移入する。抗TSHR抗体価・T4を経時的に測定し、バセドウ病の発症頻度・持続期間を検討する。 [II] 自然発症バセドウ病モデルの作製:作製したTSHR KO/SKGマウスでの抗TSHR免疫反応の有無、さらにはTSHR KO/SKGマウス脾細胞のヌード或いは野生型マウスへの養子移入実験を行う。 [III] 眼症モデルの確立ための他の抗原とTSHRを同時に発現するアデノウイルス作製及び眼症のモデル実験:バセドウ病眼症患者血清ではcalsequestrinやcollagen XIII、G2s等に対する抗体も検出される。これらをTSHRと共免疫することによって、眼症発症を顕性化させたい。ここでは遺伝子が入手できるcalsequestrinとcollagen XIIIを共発現するアデノウイルスAd-mTSHR A-subunit-IRES-calsequestrinとAd-mTSHR A-subunit-IRES-collagen XIIIを作製する。作製した2種類のアデノウイルスでTSHR KOマウスを免疫し、脾細胞の養子移入を行う。さらに喫煙の影響に関しては、たぼこ煙吸入実験装置を使用して、たぼこの煙に暴露する。抗体価・T4測定は勿論だが、眼窩組織の病理学的検索を行う。なお、眼窩病理は海外共同研究者であり、投稿中論文でも共同研究を行ったドイツのProf. Anja Eckstein & Dr. Kristian Johnsonに依頼する予定である。
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Research Products
(2 results)