2012 Fiscal Year Research-status Report
抗原特異的T細胞制御による関節リウマチ治療戦略の創出
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24790990
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄田 宏文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20529036)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / エピトープ / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)では炎症性T細胞と制御性T細胞のバランスに異常があることが知られているが、本研究ではまず抗原特異的な制御性T細胞を同定することを目標とした。まずRA患者において末梢血リンパ球からIL-10産生を誘導する自己抗原BiP由来HLA-DR4 epitope(BiPreg peptide)を同定した。BiPreg peptideはリンパ球増殖に対してIL-10依存的に抑制能を有した。このBiPreg特異的CD4陽性T細胞をテトラマーを用いて同定したところ、末梢血CD4陽性T細胞の0.005-0.01%程度と頻度は低く、健常人とRAで差は見られなかったが、表現型はCD25陰性CD127陰性FOXP3陰性であり、IL-10を産生するTr-1細胞であった。 このBiPreg epitopeをマウス関節炎モデルであるcollagen-induced arthritisの発症直前より経口投与することで、関節炎スコアの悪化を有意に防ぐことができた。またBiPreg epitope投与群では、BiPに反応した脾臓CD4陽性T細胞によるIL-10分泌が亢進する一方で、所属リンパ節における2型コラーゲンに反応したCD4陽性T細胞からの炎症性サイトカイン(IL-17, IFN-gamma)の分泌は低下しており、T細胞バランスの制御により関節炎治療効果が得られたと考えられた。 また炎症性T細胞の面ではBiP336-355 peptideはTh17細胞のepitpeとして同定していたが、BiP336-355 tetramer陽性CD4陽性T細胞をsingle cell sortingし、T細胞受容体の遺伝子配列を同定することで、増殖しているT細胞clonesを複数の患者において同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初次年度の目標としていたマウス治療実験を複数回行い有意な結果を得ている。single cell解析についても、複数のクローンの同定に至っており、実験経過は順調であると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス実験に関しては、HLAがヒト化され、実際のヒトにより近いモデルとされるHLA-DR4 transgenic miceにおいて実験の再現性、およびT細胞の表現型に与える影響を検討し、BiPreg epitopeによるヒト疾患治療への応用をめざす。 クローニングされたBiP特異的T細胞受容体の候補については、レトロウイルスを用いてヒト末梢血リンパ球での発現実験およびBiP peptideによる刺激実験により抗原特異性を確認する。そのうえで、関節炎モデルマウスへの移入実験、T細胞受容体のトランスジェニックマウス作成を開始する。 抗原特異的なT細胞レパトア解析については高速シークエンサーを用いた解析を併用し、single cell解析の結果と合わせて解析をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MBLカスタムテトラマー 500,000円 HLA-DR4トランスジェニックマウス 300,000円 ペプチド合成料金 300,000円 フローサイトメトリー用抗体(CD4, IFN-gamma, IL-17) 100,000円 IL-10 ELISA kit 100,000円 旅費 200,000円
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