2012 Fiscal Year Research-status Report
胞巣型横紋筋肉腫に対する新規分子標的RPS6KA1の機能解析と治療応用
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24791078
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮地 充 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40584983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | RPS6KA1 / 横紋筋肉腫 / 分子標的療法 |
Research Abstract |
胞巣型横紋筋肉腫は予後不良の疾患であり、新規治療標的の探索が急務である。我々は、マウス筋芽細胞(C2C12)においてPAX3-FKHR(P3F)安定発現による遺伝子発現変化を発現アレイにて比較し、横紋筋肉腫(RMS)の造腫瘍性に関与する候補遺伝子として、Rps6ka1(Rsk1)を抽出した。p90 RPS6KA1(RSK1)はRAS-ERK経路の下流に位置し、ERKによるリン酸化を受けて活性化するserine/threonine kinaseである。我々は、ヒト横紋筋肉腫細胞株を用いて、RSK1の機能解析を行い、新規治療標的としての可能性について検討したので報告する。RMS腫瘍検体におけるRSK1の発現はリアルタイムPCRにより、解析を行った。RMS細胞株(Rh30, Rh41(P3F陽性RMS), RD(P3F陰性RMS))を用いて、RSK1のsiRNAを用いたノックダウンやRSK1阻害剤(BID1870)を使用し、機能解析を行った。RMS腫瘍検体の検討では、正常骨格筋に比べてRSK1の高発現を認めた。Rh30細胞株、RD細胞株を使用し、siRSK1を行ったところ、共に1%ウシ胎児血清添加培地で増殖抑制が認められた。RSK阻害剤であるBI-D1870は、Rh30、Rh41、RD細胞株において、IC50 2-3μMで増殖を抑制した。RSK1は、RAS-ERK経路のeffectorとして機能し、横紋筋肉腫において、増殖に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
横紋筋肉腫におけるRPS6KA1の増殖、分化に与える影響について、ノックダウン実験、阻害剤を用いた実験から解析できており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
①RPS6KA1阻害剤による増殖抑制のメカニズムの解明 横紋筋肉腫細胞株を用いて、細胞周期、アポトーシスの増殖抑制への寄与を解明する。 ②RPS6KA1阻害剤による増殖シグナルへの影響 RPS6KA1阻害による下流蛋白へのリン酸化の影響についてウエスタンブロッティングにより検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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