2013 Fiscal Year Annual Research Report
乾癬マウスモデルにおけるB細胞の役割の解明と治療への応用
Project/Area Number |
24791137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
簗場 広一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80385369)
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Keywords | 乾癬 / B細胞 / CD19 |
Research Abstract |
(背景と目的)炎症を抑制するサイトカインであるinterleukin-10を産生するレギュラトリーB細胞は、CD1dhiCD5+という表面マーカーを有し、その他のB細胞と明瞭に識別できるサブセットに属しており、炎症、自己免疫の制御において重要な働きを担っている。今回われわれはレギュラトリーB細胞を欠損したCD19ノックアウトマウス(CD19-/-)および野生型マウスに乾癬様皮疹を誘導させ、病態の解析を行った。 (方法)野生型マウス、CD19-/-の背部を剃毛し、5%イミキモド含有クリームを背部皮膚に塗布した。これを6日間連日施行した。皮疹の重症度は、紅斑, 鱗屑, 皮膚肥厚の3項目について0 (none), 1 (slight), 2 (moderate), 3 (marked), 4(very marked)の5段階で評価した。またこれら3項目の総合重症度スコアも算出した。さらに皮膚の炎症細胞浸潤を計測し評価をおこなった。 (結果)CD19-/-では野生型マウスに比べて、紅斑、鱗屑、皮膚肥厚、総合重症度スコアすべてにおいて重症となった。またCD19-/-では野生型マウスに比べて、CD4+T細胞、CD8+ T細胞のいずれも多く浸潤していた。また野生型マウスよりレギュラトリーB細胞を単離し、CD19-/-に移植することで乾癬様皮疹を改善することができた。 (考察)レギュラトリーB細胞を欠損することにより、乾癬様皮疹が重症化することが示された。またレギュラトリーB細胞の投与により皮疹を改善できることが証明された。今後はヒトの乾癬患者においてレギュラトリーB細胞が健常人と比べて変化しているかどうかについても検討を行う必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Regulatory B cells suppress imiquimod-induced, psoriasis-like skin inflammation2013
Author(s)
Yanaba K, Kamata M, Ishiura N, Shibata S, Asano Y, Tada Y, Sugaya M, Kadono T, Tedder TF, Sato S
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Journal Title
J Leukoc Biol
Volume: 94
Pages: 563-573
DOI