2013 Fiscal Year Research-status Report
新しい”待ち伏せ”照射法の開発~複数箇所で狙い撃つ~
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24791260
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 徳雄 北海道大学, 大学病院, 助教 (80572495)
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Keywords | 放射線治療 / 放射線 / 動体追跡 / 臓器移動 / 呼吸同期CT |
Research Abstract |
(1) マーカー移動のデータの検証 北大病院における肺癌動体追跡放射線治療(RTRT)患者で呼吸同期CT(4DCT)を撮像した18名について、肺内に留置したマーカー移動の照射中 とCT撮像時の比較・検討を行い、口頭発表した(Can 4DCT Imaging Predict Lung Motion During Stereotactic Body Radiation Therapy? 2013年9月24日 アトランタ)。マーカーの最大振幅の平均は、4DCT MIPで左右3.6±1.3mm, 頭尾 6.8±4.5mm, 前後 5.4±2.6mmであった一方、RTRTログで左右5.7±2.9mm, 頭尾 14.4±16.3mm, 前後 8.1±4.3mmであり、左右・頭尾・前後の三方向いずれでも統計学的有意差(左右 p =0.0011, 頭尾 p =0.0391, 前後 p =0.0263)を認めた。腫瘍の存在部位ごとに同様の比較検討を行った。以上の結果から肺内留置マーカーの動きを最大振幅で比較すると、4DCTで測定した振幅は定位放射線治療中のRTRTシステムで得た追跡ログデータで観察された振幅よりも過小評価されていることが分かった。今後、さらに症例数を追加したうえで論文投稿に向けて準備中である。また、肺癌に対するRTRT施行を行った患者の治療成績に関しても解析し、同学会で発表した。 (2)各呼吸位相における動きの解析と予測モデル作成 (1)の結果をもとに、腫瘍中心の動きと各マーカーの動きが、呼吸位相の中のどの部分で適合し、どの部分で適合しないのかを320列CTで検討すべく準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
照射中と4DCT撮像時の肺内マーカー移動の比較に関しては、症例を追加し論文投稿準備中である。 遅れている点としては、平成25年度中に北海道大学病院に複数マーカーが追跡可能となる新しいRTRTシステムが導入され、新しい装置で得られた放射線治療中の各マーカーの移動データを解析し、呼吸位相の動きの解析等を行う予定であったが、平成25年度中には臨床使用が開始されなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
呼吸同期CTで得られる動きのデータの検証については、平成25年9月の米国放射線腫瘍学会の発表でも注目された内容であり、平成26年度中に論文完成し投稿予定である。また、現在使用している16列CTと比べて時間分解能および空間分解能に優れる320列CTを用いて各呼吸位相における動きの解析と予測モデル作成をすすめていき、新しい放射線治療計画方法の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、年度途中の8月から11月初旬までの3ヶ月間、米国に短期留学する機会があったため、当初の予想よりも旅費において未使用分が発生した。 平成26年度では、旅費の他に英文校正など論文投稿にともなう費用やハードディスクの追加購入など物品購入費に使用する予定である。
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