2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791351
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 恭子 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (10612187)
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Keywords | アポトーシス / PET / ヒトT細胞免疫グロブリンムチン蛋白質‐4 / ホスファチジルセリン |
Research Abstract |
生体内でのアポトーシス検出を目的にヒトT-cell immunoglobulin 4 の細胞外ドメインとIgG-Fc領域の融合蛋白質であるhTim4-187-RR-Fcを作成した。Cu-64標識後のhTim4-187-RR-Fcは標的分子であるホスファチジルセリン(PS)に対しての結合能を保持しており、400-600 MBq/nmolの高い比放射能を持つPETプローブを作成することに成功した。作成したPETプローブの有用性を確認するために、A431(ヒト上皮様細胞癌由来細胞株)担癌マウスに対し抗がん剤(マイトマイシンC、MMC)投与によりアポトーシスを誘導した群を作成し、PET実験を行った結果、生理食塩水を投与した対照群と比較して、抗がん剤投与群では腫瘍部位へのRIの集積は1.4~2倍となることが認められた。しかし群間のプローブ集積の差が小さく肝臓への非特異的集積が高い結果となった。 抗体を用いたPETプローブ開発研究において、低分子量化により肝臓への非特異的集積が軽減されるとの報告がある。そのため、ヒトIgG-Fc領域をロイシンジッパー構造に置換することによってhTim4-187-RR-Fcの低分子量化を行った。その結果、分子量は175kDaから約半分の90kDaに軽量化することに成功した。今後、このタンパク質(hTim4-187-RR-LZ)のPETプローブとしての有効性について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
担癌マウスの腫瘍に効率的にアポトーシスを誘導する抗がん剤投与スケジュールの決定、ヒトTim4-Fcのムチン様ドメイン長の最適化により、当初の目的通りPET実験によってアポトーシスを誘導した腫瘍への集積を観察することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
低分子量化した融合タンパク質、hTim4-187-RR-LZのPETプローブとしての有効性を in vitro (ホスファチジルセリン(PS)に対する結合能, フローサイトメトリー解析等)と in vivo (生体内分布、PET等)での検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は海外への学会に参加しなかったため、余剰が生じた。 平成26年度は動物実験が主体となるため、平成25年度の余剰分を動物購入に充てる。
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Research Products
(2 results)