2014 Fiscal Year Research-status Report
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24791351
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 恭子 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (10612187)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アポトーシス / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内でのアポトーシス検出を目的にヒトT-cell immunoglobulin 4 (Tim4) の細胞外ドメインとIgG-Fc領域の融合蛋白質であるhTim4-187-RR-Fcを作成したが、群間のプローブ集積の差が小さい、肝臓への非特異的集積が高いことから改善が必要となった。 抗体を用いたPETプローブ開発研究において、低分子量化により肝臓への非特異的集積が軽減されるとの報告があることから、ヒトIgG-Fc領域を削除することによってhTim4-187-RR-Fcの低分子量化を試みた。 Tim4とIgG-Fcの間にプロテアーゼ認識配列を組み込み発現させたところ、プロテアーゼが十分に作用しない、且つ消化後の分離が困難であることが分かった。次にあらかじめIgG-Fcを削除したタンパク質の発現を行ったところ発現量が元の10分の1以下に低下した。その後、哺乳類細胞系での発現を無細胞系、昆虫細胞系など様々な発現系を試したがいずれも十分な量を得ることができなかった。タンパク質発現細胞の細胞質中には抗Tim4抗体に対する反応が観察され、形質転換後に継時的に増量が認められたため、細胞外に分泌されるべき発現タンパク質が細胞内にとどまっていることが分かった。この原因としてTim4細胞外ドメインのみの発現はタンパク質の立体構造が不安定となり、不完全体として細胞内消化を受けている可能性が考えられた。また、前述の無細胞系でのタンパク質発現において発現タンパク質が共存タンパク質(シャペロン)と分離ができなかったことも立体構造の不安定性によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tim4タンパク質の構造不安定性から、標識に十分なタンパク質を得ることができなかったため、アポトーシス検出試薬としての性能を調べることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、発現用細胞に対してPMAなどの薬剤を形質転換以前に処理することにより、細胞膜上のTim4を細胞膜外で切り離す酵素の発現を誘導できることが報告された。分泌型としての発現は困難であるため、細胞膜上の全長Tim4を単離する方法を試みる。
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Causes of Carryover |
PETプローブのもととなるタンパク質の生合成がうまくいかず、担癌マウスを用いたPET実験ができなかったため、余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
標識用タンパク質の発現用試薬、および生体実験用マウスの購入に充てる。また、成果の論文投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)