2013 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌微小環境に着目したウイルス治療の新展開-間質におけるウイルス拡散と導入効率-
Project/Area Number |
24791432
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安井 隆晴 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (60611283)
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Keywords | 膵癌微小環境 / 膵星細胞 / 抗線維化薬 |
Research Abstract |
膵癌は低酸素微小環境にさらされており、このことが膵癌のウイルス治療の抵抗性をきたす要因となっていると考えられている。我々はこれまでにも低酸素環境間質を構成する線維芽細胞がウイルスの導入効率を低下させることや、 癌間質相互作用を担うHGF/MET経路を阻害することでアデノウイルスの導入効率が改善することを発見・報告してきた。また、低酸素下での癌細胞、線維芽細胞の生物学的動態についても研究・報告してきた。 本年度は膵癌微小環境下におけるエンドサイトーシスおよび拡散効率について検討するために、膵癌の間質増生においてもっとも重要とされる膵星細胞に関して、そのphenotypingを行うことで膵癌へのウイルス導入の障壁となる膵星細胞の亜細胞集団を同定することを主なテーマとして研究を実行した。 まず様々な細胞表面マーカーによる膵星細胞のphenotypingを行った。その結果、膵癌切除組織の免疫組織化学染色では、膵癌間質におけるCD90低発現かつSMA低発現の群が、その他のものと比べて予後が良好であることが分かった。また、SMA低発現の中でみても、CD90低発現の方がCD90高発現よりも予後がよいことが分かった。さらに、膵癌関連線維芽細胞のCD146をノックダウンすると、癌細胞との共培養により膵癌細胞の遊走能・浸潤能が増強されることも明らかにした。 また、膵星細胞が産生する細胞外基質を制御することで膵癌へのウイルス到達効率の改善を図るという観点からは、抗線維化薬であるピルフェニドンが膵癌同所移植マウスにおいて膵癌間質を減少させ、ゲムシタビンの抗腫瘍効果を増強させることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Cancer Research2013
Author(s)
S Kozono et al
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Journal Title
Pirfenidone inhibits pancreatic cancer desmoplasia by regulating stellate cells
Volume: 73
Pages: 2345-2356
DOI
Peer Reviewed
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