2014 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌リンパ節転移におけるマイクロRNAの発現と意義
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24791439
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
齋藤 元伸 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (90611749)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 胃癌リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
公開データーベースを用いてCDX2を制御しうるマイクロRNAを探索した結果miR-181bを見いだし、細胞実験でmiR-181bを強制発現させるとその標的であるCDX2の発現が有意に低下することを明らかにした。そのmiR-181bは、IL-6/STAT3パスウェイの下流に位置しており炎症を介した発癌に寄与することが以前報告されている。そのため本年は、CDX2の発現を抑制しうる機序としてIL-6/STAT3のパスウェイに注目して、IL-6を強制発現させてCDX2の発現を調べる細胞実験をおこない、CDX2はmiR-181bを介したIL-6/STAT3パスウェイの活性化によって抑制されうることを確認した。さらに、p53との関連を調べるためにすべての標本に対してp53の免疫染色をおこなった。p53発現陽性例はCDX2陽性例に比べて、CDX2陰性例で少ないことがわかった。そこで、CDX2陰性例に注目してみると、p53発現陽性例は組織学的分化例に比べて、有意に未分化例にて少なかった。つまり、未分化型CDX2陰性胃癌ではp53は野生型、分化型CDX2陽性胃癌はp53変異型が多いというp53の変異の有無によるCDX2の関与が異なる胃癌の発生機序が明らかとなった。これは、IL-6を過剰発現させるとp53野生型細胞でのみp53の下流のmiR-34aの発現が抑制されることからも確認された。 また、CDX2の発現と臨床病理学的因子との関連についてだが、CDX2の発現低下は胃癌リンパ節転移と関連していることに加え、本研究で用いた210例の胃癌症例においては疾患の予後不良性と相関する(P<0.05)ことが明らかとなった。
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[Journal Article] A Three-microRNA Signature Predicts Responses to Platinum-Based Doublet Chemotherapy in Patients with Lung Adenocarcinoma.2014
Author(s)
Saito M, Shiraishi K, Matsumoto K, Schetter AJ, Ogata-Kawata H, Tsuchiya N, Kunitoh H, Nokihara H, Watanabe SI, Tsuta K, Kumamoto K, Takenoshita S, Yokota J, Harris CC, Kohno T.
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Journal Title
Clinical Cancer Research
Volume: 20(18)
Pages: 4784-93
DOI
Peer Reviewed / Open Access