2013 Fiscal Year Research-status Report
不活化ウイルス粒子に自家腫瘍ワクチンを併用した脳腫瘍に対する新規免疫療法の確立
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24791485
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 真秀 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30614333)
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Keywords | 新規免疫療法 / 脳腫瘍 / 不活化ウイルス粒子 / 自家腫瘍ワクチン |
Research Abstract |
昨年度から継続してマウス皮下腫瘍モデルにおけるHVJ-E投与量の設定、腫瘍ワクチン治療回数および治療タイミングの設定、HVJ-E治療回数と治療タイミングの設定のための基礎実験を繰り返し施行し、より相乗効果が発揮される併用療法の条件を決定した。その結果、HVJ-E腫瘍内投与と腫瘍ワクチン療法の併用によって、HVJ-E腫瘍内投与単独群や腫瘍ワクチン療法単独群に比べて有意な腫瘍増大抑制効果が得られている。腫瘍ワクチン療法と併用することにより、単回のHVJ-E腫瘍内投与で腫瘍制御が可能となることが明らかとなり、脳腫瘍モデルにおいても同治療条件での抗腫瘍効果の解析を行っている。また脳腫瘍モデルに対する併用療法実験において、摂食量低下や体重減少等の副作用や過剰な免疫応答による致死的な副作用の出現はみられておらず、その安全性が確認できている。HVJ-E腫瘍内投与や腫瘍ワクチンの単独療法および併用療法後の皮下腫瘍内への免疫担当細胞浸潤の評価を免疫組織染色で行ったところ、HVJ-E腫瘍内投与を行うことにより細胞傷害性T細胞やヘルパーT細胞の浸潤が増加するものの制御性T細胞の浸潤は増加していなかった。また、腫瘍ワクチン療法を行うことで樹状細胞の腫瘍内浸潤が著明に増加することが明らかとなった。現在脳腫瘍モデルにおける同様の腫瘍内局所免疫反応評価を解析中であり、全身性腫瘍特異的獲得免疫反応評価も計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
皮下腫瘍モデルにおける解析をほぼ終了し、現在は脳腫瘍モデルにおける解析をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス脳腫瘍モデルにおける生存解析や腫瘍組織解析をすすめ、臨床応用に向けた至適治療方法を確立していく。
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