2012 Fiscal Year Research-status Report
O‐グリカンを標的とした泌尿器癌悪性度マーカーの開発
Project/Area Number |
24791631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
飛澤 悠葵 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70623768)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖転移酵素 / 糖鎖抗原 / モノクローナル抗体 / 癌 / マーカー |
Research Abstract |
前立腺癌は近年、日本においても急速に罹患率が上昇してきている癌であり、過剰診断・過剰治療が問題となっている。本研究では糖転移酵素C2GnTが種々の癌において予後を判断するマーカーとなりうることから、前立腺癌の予後マーカーとしての可能性を検討した。 本年は、まずC2GnTに特異的なモノクローナル抗体を作製し診断マーカーとしての可能性を検討した。 樹立した抗C2GnT-1モノクローナル抗体 (mAb) による癌組織染色が癌悪性度診断に有用であるかを確認するため、以下の計画に基づき検証した。1: 抗C2GnT-1 mAbの癌組織染色における最適な染色条件の決定;ホルマリン固定されている癌組織標本は、抗原がマスキングされるが、抗原腑活化条件、染色条件を検討し安定した染色像がえられる条件を選定できた。2:染色検体の判定基準を定めるため、病理診断を含めたカンファレンスによる陽性細胞の決定;細胞核付近のゴルジ体に発現、抗体による染色が見られる癌細胞を陽性細胞として判定を行った。3:前立腺癌組織標本の染色によりC2GnT-1発現と癌悪性度の検証;陽性癌組織標本の判断基準選定後、弘前大学泌尿器科においてこれまでに保存されている2005年から2011年の前立腺癌の組織染色を行った。染色後、陽性癌および陰性癌患者の再発率を算出し、また再発の危険因子として多変量解析を行った。その結果、C2GnT染色陽性である前立腺癌患者は、再発率が有意に高く、多変量解析でも独立した再発の危険因子であることが示され、樹立した抗C2GnT-1 mAbが癌悪性度診断に有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、抗C2GnTモノクローナル抗体の腫瘍組織染色条件が決定し、陽性の判断基準もおおむね定まった。さらに、症例数を増やして染色を行い、前立腺癌においては癌の再発との関連も明らかになってきており、当初の予定どおり抗C2GnTモノクローナル抗体による免疫組織染色が前立腺癌の悪性度診断に有用である可能性が示唆されている。 さらに、追加の検討として尿、血液を用いた体液診断の系の立ち上げも目指しており、こちらはまだ症例数は少ないが、体液診断にも本抗体が有用である可能性も出てきており、研究は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の実験計画はおおむね順調に進展していることから、研究計画通りに次の段階に移行する。 予定としては、尿中に含まれる糖タンパク質の糖鎖構造解析を行い、C2GnTにより作られるコア2糖鎖構造を持つタンパク質の存在を確かめる。すでに、糖タンパク質としてはMUC1と呼ばれるムチン型糖タンパク質を予想しており、標的としている糖タンパク質の有無、コア2糖鎖構造の有無を検証していく予定である。 また、糖鎖と糖タンパク質を認識する抗体の作成準備に取り掛かる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 糖転移酵素C2GnTは前立腺癌と間質細胞との相互作用を高め前立腺癌の増殖を制御する2013
Author(s)
飛澤悠葵, 米山 徹, 盛 和行, 畠山真吾, 今井 篤, 岡本亜希子, 山本勇人, 杉山尚樹, 岡本哲平, 鈴木裕一朗, 萩原和久, 及川真亮, 成田拓磨, 米山高弘, 橋本安弘,古家琢也, 大山 力
Organizer
第22回泌尿器科分子・細胞研究会
Place of Presentation
高知
Year and Date
20130308-20130309
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