2013 Fiscal Year Annual Research Report
血流障害における精巣機能解析~精索捻転症の新たなガイドライン作成を目指して~
Project/Area Number |
24791673
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
平井 宗一 東京医科大学, 医学部, 講師 (70516054)
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Keywords | 精巣 / 鬱血 / 虚血 |
Research Abstract |
精巣は精索の捻転(精巣捻転症)、精巣動脈の梗塞(精巣梗塞)、精巣静脈のうっ滞(精巣静脈瘤)、精巣静脈の血栓(精巣静脈血栓症)によって血流障害が起きる臓器である。しかし、虚血と鬱血における精巣障害の違いを調査した報告はない。本研究では、ラットを用いて精巣動脈と精巣静脈の血流をそれぞれ6時間遮断し、それらが精巣に与える影響の違いを調査した。肉眼的に虚血群の精巣は白くなったが、鬱血群の精巣は青黒くなった。組織化学法では、虚血群には生殖細胞の障害が多く同定されたが、鬱血群には観察されないことが示された。mRNA発現分析では、虚血群のApoptosis関連遺伝子、炎症性サイトカインの発現が、鬱血群と比べて有意に高いことが明らかになった。両群をそれぞれ再灌流させて3日後の精巣を観察したところ、虚血群には激しい精子形成障害が観察されたが、鬱血群の精子形成障害は軽度であった。これらの結果は、精巣の虚血は鬱血よりも肉眼的に予後良好に見えるが、精巣にダメージを与えることを明らかにした。精巣の血流障害において、肉眼的所見によって精子形成障害の程度を判断することは難しいと考えられる。
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Research Products
(4 results)