2014 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌における癌幹細胞マーカーEpCAMの機能解析:卵巣癌新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
24791713
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本原 剛志 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (10457591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 癌幹細胞 / EpCAM |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、悪性腫瘍の治療抵抗性において、癌幹細胞が重要な役割を担っていることが報告されている。上皮細胞接着分子(Epithelial cell adhesion molecule: EpCAM)は細胞接着に関与するI型膜蛋白であり、正常の組織幹細胞および癌幹細胞との関連性が指摘されている。われわれはこれまでに、癌幹細胞の分子生物学的特性を解明するための卵巣癌幹細胞マウスモデルの樹立に成功し、EpCAM陽性細胞が卵巣癌幹細胞としての特性を有していることを報告している。今回われわれは、EpCAM陽性の卵巣癌幹細胞を標的とした分子標的薬による新たな治療戦略の開発を目的とし、EpCAM陽性の卵巣癌細胞における抗癌剤治療抵抗性との関連性について解析を行った。ヒト卵巣癌細胞株を用いたin vitroでの検討では、抗癌剤を添加した群でEpCAM陽性細胞の割合が増加するといった現象が見出されたことから、EpCAMが抗癌剤抵抗性に関与していることが示された。さらに、抗癌剤誘導性のアポトーシスについて解析した結果、EpCAM陰性細胞と比較してEpCAM陽性細胞は抗アポトーシス作用を有していることが示された。また、網羅的なアポトーシス関連蛋白の発現解析から、EpCAM陽性細胞はアポトーシス抵抗性を獲得しており、抗癌剤に対し耐性を示すことが証明された。 卵巣癌におけるEpCAM陽性細胞は、抗アポトーシス作用を介して抗癌剤抵抗性に関与することが示されており、今後EpCAMを標的とした治療が卵巣癌の抗癌剤抵抗性の克服と卵巣癌治療の現状の打破に繋がる可能性がある。
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Research Products
(7 results)